桜井ユキ「うまく笑えない時期があった」 学生時代の葛藤を回想 『しあわせは食べて寝て待て』…

2025/03/30 12:00 

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『しあわせは食べて寝て待て』より(C)NHK

 俳優の桜井ユキが主演を務める、NHK総合のドラマ10枠『しあわせは食べて寝て待て』(毎週火曜 後10:00)が、4月1日より放送される。このほどインタビューに応じた桜井が作品の魅力を語るなかで、演じる主人公・麦巻さとこに重なる部分があると明かしてくれた。

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 主人公・麦巻さとこ(桜井)は、週4のパートで質素に暮らす38歳、独身。「一生付き合わなくてはならない」病気にかかったことから生活が一変し、会社を辞め、新しい住まい探しを余儀なくされる。見つけたのは築45年の団地。隣に住む大家の美山鈴と、訳あり“料理番”の司を通じて、さとこは食事で体調を整える【薬膳】と出会う―。やがて、自分なりの楽しみ方を見つけ、“できない自分”を受け入れていく。

 一生つきあう病気(膠原病)にかかり、会社を退職したさとこは、週4日のパートでギリギリの生活を送ることに。日常生活は一応送れるものの、無理をすると体が悲鳴をあげる。マンションの更新をあきらめ、家賃5万円の団地暮らしを始める。お隣に大家さんが住んでいるのでちゅうちょしたが、決め手は謎の居候、司の作ったスープと、薬膳料理だった。前の職場で受けたストレスやキズなど色々あるが、少しずつ少しずつ、季節の移ろいの中で、変化がおとずれる。

 まず作品の第一印象を聞かれた桜井は「最初お話いただいて『しあわせは食べて寝て待て』というタイトルを見たときは、なんて優しいタイトルなんだろうというのが第一印象でした。薬膳を取り入れた作品ということで、すごく優しくてほっこりとした作品だろうなと思っていました」と振り返る。

 しかし「実際に原作を読ませていただき、さとこを日々演じているなかで、この作品を“優しくてほっこりした作品”という一言で片付けてほしくないという思いが強くなりました」という。

 「この作品は、大きな事件が起きなければ、胸を打つような悲しい出来事も大恋愛もない」。そう語った桜井は「さとこの中で抱えている葛藤や辛さは本人にしか分からない。傍から見ただけでは伝わらないということも世の中にはたくさんあるなと思っています。そういう部分の大切さだったり、人が抱えているものに寄り添って過ごしていく彼女たちの日々というのは、見ている人に勇気を与え、改めて人との付き合いって素敵だな、人は一人では生きていけないなということを感じさせてくれます。見どころを一つにまとめるのが大変なくらい、いろんなことを改めて気づくことができる作品になっています」と言葉に力を込める。

 演じるさとこの心境に深い理解を示した桜井。自身も学生時代に「親や友人関係もそうですし、自分自身がうまく立ち振る舞えないことに対しての葛藤だったり、それこそ傍から見れば分からないくらいの小さな悩みに苦しんでいた時期がありました」と告白すると「一時期、うまく笑えない時期というものがあって、そのときは自分のメンタルがすごく影響していたなと思います」と回想した。

 「自分でもうまく言葉にできないような悩み。もちろん種類は違いますけど、さとこともちょっと近しいものがあるのではないかなと感じていて、私はさとこの気持ちが理解できるような気がしているんです」。

 改めて視聴者に向けてコメントを求められた桜井は「食の大切さや人との付き合い方ももちろんですが、一番は“肩の力を抜いて、頑張らなくていいんだよ”ということを伝えたいです。作中でも“社会って生産性や向上心があってこそ認められる場所だから”というセリフがあるんですけど、そういう空気って実際あるなと思っていて。でもそうじゃなくて、自分というものを一番大切に考えたときに、別に頑張らなくても、ちょっと逃げたいと思ったら逃げていい。そう自分を労ることの大切さをこの作品を通じて感じていただけたら」と呼びかけていた。
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