『水曜日のダウンタウン』をはじめとしたバラエティー番組のドッキリでは、さまざまな顔を見せ、それが視聴者をひきつけているひょうろく。さらば青春の光・森田哲矢も「水曜日が生み出したモンスター」と評するほど、快進撃を続けているが、20日午後10時放送のＢＳ日テレオリジナルドラマ『コンシェルジュの水戸倉さん』で、なんと初主演を務める。当の本人を直撃すると、なんともいえない表情を浮かべた。「お話をいただいた時の感想ですか…『ほぇー』でした。実感がわかないみたいなところがあって、もし本当だったら大丈夫なのかなっていう、不安がありましたね」。

【写真】違和感なし？コンシェルジュ姿のひょうろく

　本作は、ひょうろく演じるマンションコンシェルジュの水戸倉亘が、さまざまな問題を抱えたマンションの住人たちの悩みを解決していく、ハートフル群像コメディドラマ。マンションのロビーを舞台に、娘との関係に悩むシングルファザー平川努役を演じる濱正悟と、本当は父の努に甘えたいのに素直になれないマセた小学生・平川夢役を演じる有香。さらに、就活と将来に思い悩む大学生の青井莉奈役を演じる愛来（AMEFURASSHI）などが登場し、コンシェルジュの水戸倉と関わっていく。

　主演として、撮影を終えた感想を向けてみると「これまではせりふといっても一言くらいしかなかったのですが、台本をいただいた時に、めちゃくちゃせりふ量が多くて…。初めての長せりふもあったので、苦戦しました」と柔和な笑み。せりふ覚えは「とにかく暗唱」で乗り切った。「相手の方のせりふを、自分の声で携帯に録音して、それを受けて自分のせりふが出てくるかっていうことを繰り返しやりました。一応、現場に着く頃にはせりふは頭に入っていたのですが、相手役の方の声も自分で吹き込んでいたので、ちゃんとした俳優さんが演じられると、テンポとか…『まったく違う！』って。なので、結局現場で苦労しました」。

　当初は「無機質なしゃべり方」をする役という設定だったが、監督が自身に合った形に変更してくれたと感謝する。「自分では、抑揚などをつけないようにってやっているつもりなんですけど、なかなか難しくて…」。これにより、普段のひょうろくと地続きになった、どこか温かさがあるが、普段の様子はつかめない魅力的なキャラクターが誕生した。マンションコンシェルジュという職業を演じるにあたって、参考にした人物がいるという。

　「ホテルマンではあるのですが、ドラマ『HOTEL』の高嶋政伸さんをイメージしながら演じようと思いまして。当時の映像を見ようと思ったのですが、なかなか探し出せなくて。なので、小さい頃に『HOTEL』を見ていた時のことを一生懸命思い出しながら、演じてみました」

　主演として反省することがたくさんだと、恐縮しながら話す。「これまで出させていただいたドラマの現場では、メインの方がいろんな人に気を遣って、盛り上げたり和ませてくれていたのですが、今回、僕は、逆に周りの方に盛り上げていただきました」。終盤には、小学生の夢に対して、水戸倉として厳しい言葉をかけるシーンがあるが、そこでのほほえましいエピソードも臨場感たっぷりに振り返る。

　「僕は、何ていうんですかね…こう熱量を持って伝えるとかがめちゃくちゃ苦手で。どちらかというと、衝突しそうになった時にも、衝突しないような選択をするので、衝突を恐れずに向き合って伝えるのは大変でした。それで、僕がそのせりふを言ったら、夢役の有香さんがツーっと涙を流して。（我に返って）『そうだよな、会って間もないおじさんに、こんなこと言われたら泣いちゃうよな』と思っていたのですが、カットがかかった瞬間、有香さんの表情がスッと戻ったんですよね。『お芝居で涙を流せるんだ、すごいね！』って話しかけたら『けっこう簡単ですね』って、あっさり返ってきて（笑）。でも、撮影の合間なんかは、ダンスをしていたり、普通の子で。本当に女優さんだなって感じました」

　一躍ブレイクを果たしたひょうろくだが、私生活は慎ましいものだ。「今の住まいは、築60年ぐらいのところで、家のカギも倉庫のカギみたいなやつで…。なので、次は築30年くらいで、ちゃんとした玄関とカギがあるところに引っ越したいです。その次に、マンションの入口にオートロックがついているところ…そういう感じですかねぇ」。普段の暮らしは変わらない一方、知名度は抜群に上がり、ついにドラマの初主演までつかんだ。ひょうろくの目には、どんな景色が広がっているのだろう。

　「感覚が追いつけてないというか…、こういったインタビューをさせていただいたりとか、バラエティーとか出させていただいて。自分としては、ジェットコースターに乗ってしまった気分というか…。猛スピードで通り過ぎていって、なんかすごいところに来させてもらっているなと感じています。今回のドラマもそうですけど、僕を主演にするって、けっこうリスクがありますよね。それでも、演技をほとんどやったことない人間に対して、皆さんがいろいろとやってくださって。だから、これから、自分もいろんなこと経験して、成長した時に恩返しできるようになりたいな…と。僕は、いろんな人にお世話になって、今ギリギリに成り立っているので、お世話になりっぱなしで終わりたくないです」

　今回のドラマにも“密かな野望”がある。「『渡る世間は鬼ばかり』さんみたいに、僕自身が成長していく様子も、ドラマとして続いていったら…。そうなるためにも、もっともっとほかの仕事も頑張りたいですし、今回のドラマも反響があるとうれしいです」。まだまだ謎に包まれているひょうろくが、どんな顔を見せるのか、期待したい。

1. 【写真】渾身の癒やしのポーズを決めるひょうろく
2. 【番組カット】鬱蒼とした緑の中、列車に揺られるひょうろく
3. 【写真】ひょうろくはいつ出てくる？ヒント写真
4. デヴィ夫人、初対面のひょうろくに「気持ち悪い」しかし「センスはいい」　芸能界を生き残るためのアドバイ…
5. 森香澄、ひょうろくと尖った新企画　“倍速視聴”の流れに逆らい“0.5倍速”で収録