『侍タイムスリッパー』山口馬木也、『ブルーリボン賞』主演男優賞で涙 感謝の思い「大きな分か…

2025/02/12 17:00 

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『第67回ブルーリボン賞』授賞式に出席した山口馬木也 (C)ORICON NewS inc.

 東京映画記者会(在京スポーツ紙7社が運営)が選ぶ『第67回ブルーリボン賞』の授賞式が12日、都内で開催され、『侍タイムスリッパー』で山口馬木也(51)が主演男優賞に選出された。

【写真】ダンディーに涙!幸せを噛みしめる山口馬木也

 映画『侍タイムスリッパー』は、『拳銃と目玉焼』(2014年)、『ごはん』(17年)に続く未来映画社の劇場映画第三弾。幕末の侍があろうことか時代劇撮影所にタイムスリップ、「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く。コメディーでありながら人間ドラマ、そして手に汗握るチャンバラ活劇となっている。

 「自主映画で時代劇を撮る」と言う無謀にコロナ禍で資金集めもままならず諦めかけた監督に、「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」と救いの手を差し伸べたのが東映京都撮影所だった。10人たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都で撮影を敢行する前代未聞の事態。半年に及ぶすったもんだの末、なんとか映画は完成。2023年10月『京都国際映画祭』で初披露された際、客席からの大きな笑い声に関係者は胸をなでおろした。初号完成時の安田淳一監督の銀行預貯金は7000円と少し。「地獄を見た」と語っていた。

 東京・池袋シネマ・ロサ1館だけで公開されたが、評判が口コミで広がり300館以上に拡大されて大ヒットとなった。山口は本作で映画初主演を務め、その演技が評価され、2026年放送のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で柴田勝家を演じることも決定している。

 授賞式で山口の名前が呼ばれると、隣に座っていた安田監督が号泣したそう。賞状と副賞をもらう瞬間も山口の目からは涙があふれた。受賞の喜びを問われると山口は「僕の名前が呼ばれた瞬間に横いる監督が号泣しまして…。もらい泣きをしておりまして…」と涙の理由を語った。

 改めて「人生初主演映画で、このような歴史ある『ブルーリボン賞』をいただけると夢にも思っていませんでした。本当にうれしいです。思えば、この映画に参加させてもらってからずっと奇跡の連続で、貴重な時間を与えてくれた安田監督にお礼を言いたいです」と感謝。そして共演者、スタッフ、東映京都撮影所の人たちにも感謝しながら「何より感謝を申し上げたいのは、本当に支えてくれたお客さまです」と話すと、客席からは「馬木也~」といった声が。再び目から熱いものがあふれ出し「こんなはずじゃなかったのに…」と目頭をぬぐった。そして「俳優としてこれから、こういう賞をいただいたのでプレッシャーもあるんですが、本当に俳優に憧れて俳優になりたくて今でも俳優を続けている。この先、自分の目指すところにたどり着けるのかなと思いながらも真っすぐ進んでいきたいます」と前を見据えた。

 司会は昨年の主演男優賞・ 神木隆之介(『ゴジラ-1.0』)と主演女優賞・ 吉永小百合(『こんにちは、母さん』)が務めた。神木から「俳優キャリアの中で、この作品はどんな位置付けに?」と問われると山口は「どの作品も、と言いたいですが、僕の中でこの作品は大切で。大きな分かれ道となる作品なんじゃないかな、と。たぶん生涯忘れることはないでしょう」ときっぱり。また、来年は山口と主演女優賞の河合優実が司会を担当する。神木から「来年は山口さんが、なんと!」と水を向ける。山口は「なんで、そんなにいじわるそうに言うんですか」と苦笑いで、授賞式も終盤で間もなく大役が終わることもあり、神木は「本当に緊張していたので」と理由を明かして笑いを誘っていた。

■『第67回ブルーリボン賞』
【作品賞】『侍タイムスリッパー』
【外国作品賞】『オッペンハイマー』
【監督賞】入江悠監督『あんのこと』
【主演男優賞】山口馬木也『侍タイムスリッパー』
【主演女優賞】河合優実『あんのこと』『ナミビアの砂漠』
【助演男優賞】大沢たかお『キングダム 大将軍の帰還』
【助演女優賞】小泉今日子『海の沈黙』『碁盤斬り』など
【新人賞】早瀬憩『違国日記』『あのコはだぁれ?』
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