【ヨコハマ映画祭】三吉彩花“本人役”の難しさ 自身のトラウマにも向き合う

2025/02/02 15:06 

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三吉彩花=『第46回ヨコハマ映画祭』表彰式 (C)ORICON NewS inc.

 俳優の三吉彩花が『第46回ヨコハマ映画祭』助演女優賞に輝き、2日に神奈川・関内ホールで行われた表彰式に出席した。

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 三吉は今回、映画『本心』での演技が評価されて受賞。同作は、“リアル”と“リアルではないもの”の境界が今よりもさらに曖昧になった世界を舞台に、急逝した・秋子(田中裕子)の本心が知りたい朔也(池松壮亮)が、生前のパーソナルデータをAIに集約させ、仮想空間上に“人間”を作るというストーリーで、三吉は「三好彩花」役を務めた。

 受賞のスピーチで、三吉は「今回の作品、私自身にとって、今までで一番難しくもあり、やりがいを感じた、とても思い入れのある作品でした。石井監督をはじめ、みなさんに感謝申し上げたいと思います。普段、作品を作り上げる時に、どんな作品であっても、どんな化学反応が起こるか、人とのご縁を大事に考えて作品に臨むようにしています。今回はこの作品で、たくさんの方に届いたのではないかと。ありがたいご縁を感じています。みなさまに感謝申し上げます。これからもいろんな作品を通じて、私自身も知らない一面を見ていきたいです」と喜びをかみしめた。

 続けて「原作の平野(啓一郎)さんにも、撮影が終わってから、なぜ三吉彩花だったんですかとお尋ねしました。本当に偶然に、三吉彩花という名前をつけていらっしゃって。これもある種、運命といいますか、感じていましたので、この役はある意味、私にしかできないのではないかと期待もありながら、内容がすごく繊細で、この時代にみなさまにお届けすることが必要だと感じていました」と打ち明けた。

 役作りについても触れ「どうしたら本物になるのかなとずっと考えていたんです。その時に、役としてではなくて、本当の三吉彩花として、自分のトラウマやコンプレックスに向き合うことが確実に必要な作品だと感じていました。本当にいいタイミングで、この作品に出会えましたし、自分の人生にとっても向き合うことがよかった。ひとりの人間として、人生を歩んでいく中で、とても意味のあることだったと思います」と言葉に力を込めていた。

■『第46回ヨコハマ映画祭』各賞
作品賞:『夜明けのすべて』
監督賞:入江悠『あんのこと』
森田芳光メモリアル新人監督賞:奥山大史『ぼくのお日さま』
脚本賞:野木亜紀子『ラストマイル』『カラオケ行こ!』
撮影賞:浜田毅『本心』
主演女優賞:杉咲花『市子』『朽ちないサクラ』『52ヘルツのクジラたち」
主演男優賞:仲野太賀『十一人の賊軍』
主演男優賞:役所広司『PERFECT DAYS』『八犬伝』
助演女優賞:三吉彩花『本心』
助演男優賞:池松壮亮『ぼくのお日さま』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
最優秀新人賞:越山敬達『ぼくのお日さま』
最優秀新人賞:齋藤潤『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』
最優秀新人賞:出口夏希『赤羽骨子のボディガード』
審査員特別賞:土井敏邦『津島~福島は語る第二章』『ガザからの報告』
特別大賞:草笛光子『九十歳。何がめでたい』『アイミタガイ』
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