山崎育三郎、落語漫画をミュージカル化 相性を力説「共通するものがある」 念願の日本発ミュー…

2025/01/31 14:23 

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落語漫画のミュージカル化で相性を力説した山崎育三郎 (C)ORICON NewS inc.

 俳優の山崎育三郎、明日海りお、古川雄大が1月31日、都内で行われたミュージカル『昭和元禄落語心中』の制作発表に参加した。

【集合ショット】美しい!素敵な姿で登場した古川雄大&山崎育三郎&明日海りお

 この日のステージには高座が。3人は座布団の上に座ると、深々と一礼。山崎は「寒い中、足をお運びいただき、誠にありがとうございます」と話すと、「ここで一席」と落語『野ざらし』を披露。「台本にないことをやらせていただきました。きょうは皆様に楽しんでいただきたいと思っておりまして。最後まで『昭和元禄落語心中』の魅力をお伝えできればと思っております」と笑顔を見せた。その後、明日海も舞踊を、古川も落語『死神』を披露。異例のスタイルの会見となった。

 かねてより、日本ミュージカル界の発展のために、オリジナルミュージカルの創作は不可欠と思い続けてきた山崎が、ドラマ『昭和元禄落語心中』に出演した際、「ぜひミュージカルにしたい!」と思い立ち、同じ事務所の明日海、古川に声をかけたことで本企画は実現。原作は、戦前から平成に至る落語界を舞台に、人々の多彩な生き様を描いた雲田はるこ氏の大ヒット漫画で、2016-17年にアニメ化、18年にドラマ化され、いずれも大きな話題となった作品。経験を積んだ山崎が「今だからできると思った」と語る、渾身の一作となる。

 通常の会見スタイルに戻ると山崎は「今から7年前にNHKでドラマ『昭和元禄落語心中』という作品に出させていただきました。その撮影は、いろんなドラマの作品に出させていただいた中で、最も苦しい、つらい思い出の方が多い作品ではありました。それなぜかと言いますと、当時も助六役を演じるため古典落語を9演目覚えなければいけなかった。ちょうどクランクインする直前までミュージカル『モーツァルト!』という作品をやってました。モーツァルトやりながら天才落語家を演じなきゃいけなかった。ずっと『モーツァルト!』の舞台袖でもモーツァルトの格好で落語を練習して、(舞台上で)『メジャーとマイナー』とやっていた。これをずっとやってました。でも本当にそれでもギリギリの状態。『モーツァルト!』終わって、すぐクランクインして落語家として始まる。本当に苦しかったんです」と振り返る。

 「いろんな作品に出させていただく中で、役者として感じることがあって。初めてミュージカルに出させていただいた『レ・ミゼラブル』もそうなんですけども、作品自体が役者をその世界にいざなってくれる、引き上げてくれるエネルギーを持っている作品との出会いがあって。この『昭和元禄落語心中』という作品に触らせていた時に、ドラマの撮影現場で自分がどうこうしなくても、 この『昭和元禄落語心中』の世界が自分を助六にしてくれるっていう感覚があった。それは僕の中ですごく大きなことで。落語を覚えて、現場でもエキストラの方、300人もいらっしゃる中で、落語を披露したりする中で、自分の中で『これを舞台にしたい』というのが心の中にあった。その思いを持って7年経つんですけども、ちょうどこのお2人と作品を作るとなった時に、僕はずっと自分の中で温めていた日本で八雲を演じるのは雄大しかいないと思って。明日海さんのみよ吉も、イメージがわいてステキになるなと思って提案させていただいた。この3人でミュージカルを作る時に、僕は『昭和元禄落語心中』をやりたいんだと。そこにも賛同してくださって、この話がスタートしました」と約2分にわたって熱弁。「まだしゃべって大丈夫ですか?」と山崎が確認すると、司会の中井美穂は「せっかくお3方がおそろいなので…」と明日海&古川にバトンを渡すように促されて笑いが起きていた。

 また、山崎は落語とミュージカルの相性も語る。日本オリジナルのミュージカルを作らないのか、とブロードウェイのチームからも聞かれていたという。

 「それは僕もそう思いますし、僕ら日本人にだからこそできる作品をいうのを作りたかった。やっぱり落語をしゃべる中で、落語と歌を歌うのがすごく僕は似ている、共通するものがあると思って。歌も音楽の流れで歌い出すと、本当に細い糸がずっとつながっていくように、気持ちが途切れない。落語も1度しゃべり始めたら緊張感だったり、時に早くしゃべったり、引いてみたり、大きい声出したり、小さい声を出したりする。これはすごく音楽的で、長く落語をしゃべっていると歌を歌ってるのと同じような感覚になる。落語から歌に導入していくと自然に行くんじゃないかなと思った」と力説。きのうは1幕の通しけいこをしたそう。「マッチするのも感じます」と話していた。

 物語は、昭和初期、落語の世界に入った菊比古(八雲)は、同期入門の天才・初太郎(助六)と固い友情で結ばれる。芸者・みよ吉にも支えられ、切磋琢磨する2人。だが彼らの関係は、思いもよらない道筋をたどり…。天才肌で華のある落語家として注目を集め、豪放磊落な性格で周囲を魅了する初太郎役にドラマ版からの続投となる山崎。繊細な性格で初太郎の才能に焦りを感じながらも精進し、のちに「昭和最後の大名人」と称される菊比古役には古川。同じ役をWキャストで務めるなど、実際に切磋琢磨する間柄である山崎と古川が、因縁の2人をどう演じるかも見どころの1つとなる。さらに彼ら2人と懇意になり、その人生に大きく関わることとなる芸者・みよ吉役を明日海が演じる。芸に打ち込む者たちの業、絡み合う愛憎や因縁といった、骨太な人間ドラマを展開する。

 ミュージカル『昭和元禄落語心中』は、東京公演が2月28日から3月22日まで東急シアターオーブで、大阪公演が3月29日から4月7日までフェスティバルホールで、福岡公演が4月14日から23日まで福岡市民ホール・大ホールで。
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