『海に眠るダイヤモンド』なぜ玲央はホスト? 脚本・野木亜紀子が回答 神木隆之介「そういうこ…
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』の場面カット(C)TBSスパークル/TBS
【写真】ホスト役・神木隆之介、ノリノリなカラオケオフショット!
野木:毎日撮影お疲れ様です! 撮影はどんな感じですか?
神木:ありがとうございます! 激動の展開を実際に体験してるような感覚ですし、塚原(あゆ子)監督の演出方法も相まって、テスト、本番、放送と重ねていても、いい意味でドラマという感じがしない。本当に目の前で起こっていることのように思えます。その分パワーも必要なのですが、半分自分の感情になっていてすごくリアル。第8話の石炭が出るシーンのト書きには、「……!」と書いてあるだけでしたが、みんなで涙を流しながら喜びました。
野木:端島の人々にとってはそれぐらいの大きな出来事ですからね。
神木:そうなんです。端島での今までのことを考えていたら、“泣こう”とかではなくて、本当にうれしくて涙が出て…。そう思える物語、そしてそれを作り上げる役者さんとスタッフさんたちが揃う撮影現場の素晴らしさを改めて感じています。
野木:そこまで物語に入り込みながら演じていただけてうれしいです!
野木:本編のセリフでもありましたが、端島はいろいろなところから人が集まっている島なので、島民全員が長崎弁を話すかというと、そうではありません。賢将の父・辰雄(沢村一樹)は決して長崎弁を話さない人だから、賢将(清水尋也)は家でも東京弁。そんな賢将と仲が良く、大学まで一緒の鉄平と百合子は、標準語がベースというキャラクターの作り方でした。
神木:荒木家でいうと、僕も自分なりの理由を作って演じています。例えば、進平兄ちゃん(斎藤工)は、母・ハル(中嶋朋子)とのコミュニケーションが多いから長崎弁。鉄平は、一度島を出ていることに加えて、お父ちゃんの一平(國村隼)に厳しく育てられてきたから、そこまで長崎弁が出ない、みたいな。
野木:なるほど。ドラマでは、方言が強すぎるとお茶の間にセリフの意味が伝わらなくなってしまうこともあるので、その塩梅も脚本執筆時の隠れた難しさなんですよね。
神木:ちなみに一平のセリフは國村さんのご出身の言葉が活かされているんですよね。
野木:基本的に俳優さんの出身地を活かしたセリフにしようという話で。台本上では標準語の一平ですが、國村さんがもともとは大阪弁を話す方だと聞いて。そこはお任せして、大阪弁で自由にしゃべってもらっていいというかたちにしています。
野木:神木さんは鉄平と玲央、二役演じなければいけないから大変だろうなと思いながら放送を見ています。
神木:それに関して…僕がどうしても聞きたかったこと聞いてもいいですか?
野木:え! 答えられるかな? どうぞ!
神木:どうして現代パートの玲央はホストという設定なんでしょうか?SNSで「どうしてホスト役なんだろう。野木さんの意図があるのかな」って投稿していた方もいらっしゃいました。僕も初期の打ち合わせで「ニートのような役のほうがフラフラ流されそうだし、自由に動けそう…」というお話をした記憶があったので、改めて理由を知りたいなと。
野木:いろいろな理由がありますが、神木さんのホストが見たかったから!というのもありつつ(笑)今、世の中的にホストが夢の職業と思われているところがありますが、実際には問題が多い部分もある。端島が活気に満ちていた時代には存在しなかった職業でもあるので、現代と過去を対比させるときに、今の若い子たちが足を突っ込みがちな部分という意味で合わせて描けたらいいかなと思いました。
神木:なるほど! そういうことだったんですね!
野木:実は他にもあるのですが、ネタバレになるので今は言いません。神木さんは毎回素晴らしいお芝居を見せてくれていますが、玲央の芝居でいうと第3話で、いづみの孫・千景(片岡凜)がホストに入れ込んだ400万円を、母・鹿乃子(美保純)があっさり「払うわよ」と言った後のセリフ。あれ、本当にいいお芝居でした! ものすごく玲央だった。ちなみに、やっぱり鉄平のほうが演じやすいですか?
神木:そう言っていただけてうれしいです! やはり鉄平のほうが演じやすいですね…!(笑)
野木:神木さんがこれまで演じられてきたイメージに近いですからね。今後の放送も楽しみにしていますので、撮影頑張ってください!
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