WRC、ドライバーズタイトルはヒョンデの“苦労人” 苦節11年で初戴冠「本当に夢が叶ったよ…

2024/11/25 21:07 

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ドライバーズタイトルを獲得した「Hyundai Shell Mobis World Rally Team」のティエリー・ヌービル

 世界最高峰の自動車競技『世界ラリー選手権』(以下/WRC)の最終戦となる『フォーラムエイト・ラリージャパン2024』(以下/ラリージャパン2024)が21日から24日まで、愛知・岐阜で開催され、総合王者が決定した。

【動画】【フォーラムエイト・ラリージャパン2024】大会直前のHyundaiブースへ潜入取材!

 WRCはFIA(国際自動車連盟)が主催する自動車競技の世界選手権の一つ。1973年に創設され40年以上の歴史を誇るスプリントラリーの世界最高峰の大会だ。SS(スペシャルステージ)と呼ばれる、交通が遮断された一般道を市販車ベースのマシンで走り、区間タイムを競いあう。

 サーキットレースとは異なり、SSでは1台ずつの走行が基本となり、1~3分の間を置いてスタート。3~4日間に渡り行われ、SSの合計タイムによって、競技最終日である日曜日に勝敗が決まる。SSはターマック(舗装路)、グラベル(未舗装路)、スノーなどさまざまなコンディションの道で行われ、ラリーごとにコースのキャラクターは大きく異なることも特徴。また、SSとSSの間は公道を走行して移動を行い、その移動区間では他の一般車と同様交通ルールを守って走らなければならず、ドライバーと、コ・ドライバー(助手席に座り、ドライバーをサポートする役割)の2人がペアを組んで戦うといったラリーならではの独自のルールが課せられている。『ラリージャパン2024』はWRCの日本ラウンドで、世界各国全13戦で開催される最終戦として愛知県と岐阜県各地で開催された。

 今回、ドライバーズおよびコ・ドライバーズタイトルを獲得したのは、「Hyundai Shell Mobis World Rally Team」のティエリー・ヌービルとマーティン・ヴィーデガ。

 ベルギー出身の「Hyundai Shell Mobis World Rally Team」クルーは、シーズン開幕戦からランキング首位を維持。シーズンを通じて安定したパフォーマンスを発揮し、Hyundai i20 N Rally1 Hybridで2勝、6回のポディウム、49ステージ優勝を達成した。ヌービルとヴィーデガは、ラリー・モンテカルロでの圧勝により、チャンピオンシップ獲得に向けた礎を構築。続くスウェーデンとケニアでは、新たなFIA WRCの採点システムを最大限に活用し、僅差ながらランキングをリードし続けた。

 最終戦は、金曜日のステージ勝利で理想的なスタートを切ったものの、この日の技術的問題でポイント圏外に転落。しかし、土曜日の驚異的な巻き返しで7位に浮上し、日曜日にチームメイトでライバルの、オィット・タナック&マルティン・ヤルヴェオヤをおさえるため、2ポイントを必要とする状況となったが、最終的にそのライバルが朝の最初のステージでクラッシュし、チャンピオンに輝いた。

 ヌービルは、Hyundai Motorsportで11シーズンを戦い、今回FIA WRCドライバーズタイトル初戴冠。「2024年FIA WRCドライバーズチャンピオンとしてここに立てることは、本当に夢が叶ったような気持ちです。まず、この11年間私を支えてくれたチームに、心から感謝したいと思います。皆さんがいなければ、この成果は達成できませんでした」と感謝を示し、「これまで何度も準優勝に終わりましたが、自分たちの時が必ず来ると信じ、決して諦めませんでした」と不屈の闘志で戦ってきたと明かした。

 また、「そして、マーティンにも心から感謝を伝えたいです。この4シーズン、共に戦い、コックピット内で揺るぎない信頼関係を築いてきました。このタイトルが、私たちにとってさらなる成功への第一歩となることを願っています」と“相棒”にも感謝。最後に「Hyundai Motorsportに初のドライバーズタイトルをもたらすことができ、とても誇りに思います」と結んだ。

 なおマニュファクチャラーでは、「Toyota GAZOO Racing World Rally Team」が「Hyundai Shell Mobis World Rally Teams」をわずかにうわまわり、4年連続となるマニュファクチャラー王座に輝いた。


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