石井武志が世界戦初勝利 圧巻65秒KO…キャリアは遠回りでも
◇ボクシング WBAミニマム級王座決定戦(2日、横浜BUNTAI)
◇○石井武志(大橋)―ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)●
遠回りした格闘技人生とは裏腹に、圧巻のスピードKO劇だった。世界初挑戦の石井がわずか65秒で試合を決めた。
元世界3階級王者、八重樫東トレーナーの「1ラウンドからスタミナ関係なく行くぞ」との指示通り、開始のゴングから臆さず距離を詰めた。強烈な左ボディーでぐらつかせた後、右の一撃でひざまずかせた。メンデスは立ち上がれず、完全に戦意を喪失した。
試合が決するまで1分5秒。ジムの先輩、井上尚弥が2018年にマークした記録を5秒上回り、日本男子の世界戦では歴代最速でのKO勝ちとなった。
井上をはじめ、幼少期から技術を磨いたアマチュア出身のエリートが活躍する現代のプロボクシング界。対照的に石井はアマチュア経験のない「プロたたき上げ」だ。
中学時代に「週2回程度」で空手を習い始め、高校卒業後に挑戦したキックボクシングでプロ選手になったが、156センチと小柄なため適正階級がなかった。47・6キロがリミットのボクシング最軽量級に生きる場所を見いだし、転向した。
「小さい時から身長も常に(周りで)一番低かった。何の才能もない人間だったが、周りに支えられて努力すれば夢がかなうと証明できた」
試合後、リング上で声を詰まらせた石井。驚がくの最速KOで、成り上がりの物語を紡いだ。【高野裕士】
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