名前は「鉄心」、バットで応えた両親の思い 敦賀気比・東 秋季高校野球北信越

2020/10/17 20:48 

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 来春のセンバツ出場校選考の参考資料となる高校野球秋季北信越大会は17日、富山市の富山市民球場で準決勝があった。敦賀気比(福井1位)は関根学園(新潟3位)に5―4で延長十回サヨナラ勝ちし、5年ぶりに決勝進出。18日、同球場で上田西(長野2位)との決勝を戦う。

 「鉄の心を持った強い子になれ」。両親が名前に込めた思いに、バットで応えた。

 同点で迎えた延長十回2死一、三塁。敦賀気比の1番・東鉄心(てっしん)=2年=は「ほぼ全てスライダーしか投げてこない」と迷いがなかった。甘く入った狙い球を初球からコンパクトにたたくと、二塁手の左を抜けるサヨナラ中前打になった。「よっしゃー」と右の拳を突き上げた。

 父の出身校である敦賀気比で「甲子園に行きたい」と入学した。全国屈指の強豪校で「レギュラーになれるか心配だった」が、努力実り、今秋からの新チームで正二塁手の座をつかんだ。

 自身の叔父でもある東哲平監督から厳しく鍛えられてきた。東監督は「しょっちゅう泣きながら(練習を)やってますよ」と口にし、本人も「メンタルは強くないんです」と気弱な面を見せていた。

 延長十回も「絶対打ってくれよ」とチームメートに背中を押されて打席に立ち、緊張で震えた。それでも「(チームで)最高学年になった今年は違うってことを、大事なこの試合で見せなきゃいけないと思った」。一球に集中すると、雑念は消え、鉄の心になった。

 2点を追う七回にも左中間への適時二塁打を放ち、反撃ムードを作るなど要所での貢献が目立った。誰もが認めるヒーローだが、試合後にはまた小さな声で「つらい練習に耐えてきて、少しは強くなったのかな」と謙虚に照れ笑いした。東監督も「最初から(メンタルが)強い子はいない。経験を積んでこれからも強くなっていける」。その名にふさわしい球児へと一歩ずつ近づいている。【森野俊】

毎日新聞

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