川崎宗則、BCリーグデビュー戦は初球本塁打 「人生で一番のホームラン」 栃木

2020/09/14 05:00 

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 「ムネリン」が栃木に――。大リーグやプロ野球・ソフトバンクなどで活躍し、野球の独立リーグ「ルートインBCリーグ」の栃木ゴールデンブレーブスに入団した川崎宗則選手(39)が13日、栃木県小山市の小山運動公園野球場での茨城アストロプラネッツ戦に初出場した。3度の守備機会をきっちりこなし、一回裏の第1打席では右越えに本塁打を放つなど「MVP」の活躍を見せ、訪れたファンを大いに沸かせた。

 「出場予定」とされていた川崎選手を一目見ようと球場には大勢の客が詰めかけ、試合開始30分前にはスタンドはほぼ満席の状態。ソフトバンク時代のユニホームを着る人の姿もあり、注目度の高さがうかがえた。この日は本職の遊撃手ではなく「2番・三塁手」での先発出場。川崎選手の名前がアナウンスされると球場からは拍手が湧き起こった。

 見せ場は早速やってくる。一回表、茨城の2番打者の打球が川崎選手を襲った。一度ボールをはじいたが、落ち着いて拾い直して一塁へ送球し、アウト。ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、続く打者の打球も川崎選手の所へ飛ぶ。これは難なくさばいた。「守備は緊張しました。先発の(元ロッテの)成瀬(善久)くんに『とにかく三塁には打たせるな』と言っていたんですが、2回も飛んできて……。アウトにできて良かったです。ほっとしました」とちゃめっ気たっぷりに振り返った。

 その裏、2番打者として打席に入った。前日は緊張して寝られず、朝まで茨城の先発・大場駿太投手の動画を何度も見て研究していたという。「大場くんは良い投手。当たる球が来たら振ってしまおうと思っていた」

 初球、やや高めの直球を思い切ってスイングすると打球はぐんぐん伸び、右翼席に飛び込んだ。初打席、初球の衝撃の一打に詰めかけたファンはどよめき、両チームの選手たちからは「すごい」とため息が漏れた。「研究の成果が出ました。人生で一番のホームランだと思います」と笑みを浮かべた。

 新型コロナウイルスの感染防止対策のため、声を出しての応援は禁止。静かなグラウンドに響き渡ったのは川崎選手の声だった。「さあ、来い」「落ち着いていこう」。1球ごとに仲間に声をかけチームを盛り上げた。三回表には1死一、二塁のピンチを招いた石田駿投手の元に歩み寄り、一言二言話しかけるとお尻を「ポン」とたたいた。石田投手は「『自分の持ち味を出して投げ込んでいけ』と声をかけてもらった。打たれても守ってくれると思えて心強かった」と併殺で切り抜けた。

 川崎選手は五回表の守備からベンチに退いたが、その後も仲間に声をかけ続けた。試合は3―0(規定により八回で終了)で見事勝利。一回に放った本塁打は決勝点となり、文句なしの「MVP」に。試合後のヒーローインタビューでは、マイクでもファンを沸かせた。中学生の頃からのファンで、ソフトバンク時代のユニホームを着て応援していた仙台市のパート従業員、本山絢さん(29)は「一回の初球本塁打には心を奪われた。仲間に声をかけているところも初めて近くで見られて良かった。また見に来たい」と目を輝かせた。

 寺内崇幸監督(37)も「初球本塁打という最高の結果を出せる気持ちの部分や準備はさすが。ベンチで見ている選手にも本当に良い刺激になったと思う」と絶賛。この日は世界一に輝いた2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で二遊間を組んだ元阪神の西岡剛選手(36)も「4番・一塁手」として出場。「世界一の二遊間」の実現はお預けとなったが、寺内監督は「期待されていると思うので、今後考えながら起用していきたい」と実現を示唆した。

 久々の実戦を終えた川崎選手は「体はバリバリ張っていると思うが、明日は良い張りで心地よく起きられたらなと思う」と報道陣を笑わせ、「あさってからも良いプレーをできるように、良い準備をして頑張りたい」と意気込んだ。

【玉井滉大】

毎日新聞

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