坂本九さんの娘で歌手の大島花子さん 被災地で「グリーフケア」

2025/11/02 15:15 

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 シンガー・ソングライターの大島花子さん(52)のコンサートが13日、宿泊施設「つきだて花工房」(福島県伊達市月舘町下手渡)とバー「マジー・ノアール」(福島市陣場町)で開催される。大島さんは1985年の日航ジャンボ機墜落事故で父の歌手、坂本九さん(当時43歳)を失っており、東日本大震災の被災地を訪れて命の大切さを歌っている。

 大島さんは津波で甚大な被害を受けた新地町と交流が深く、2018年には同町の人々に寄り添う思いを込めて作詞作曲した「ひめりんご」を発表した。マジー・ノアールでコンサートを開催するのは9回目で、新型コロナウイルス下を除いて毎年県内を訪れる。

 昨年、同店で開いたコンサートでは、美輪明宏さんの名曲で、17年に作曲家・千住明さんプロデュースによるカバー曲としてリリースした「ヨイトマケの唄(うた)」を披露した。女手一つで育ててくれた母親への感謝の歌は、夫を突然失った母で俳優の柏木由紀子さん(77)が、父の形見の大きなビデオカメラを懸命に回して娘の姿を撮影してくれたことを思い出したという。

 大切な人を亡くした人々を支援して悲嘆を癒やす「グリーフケア」の活動にも取り組む大島さん。「悲しみを乗り越えられないのは当然で、それだけ愛情が深かったということ。ライブで歌を聴いて涙を流すことが回復のプロセスになれば」と歌の力で寄り添う。

 コンサートはギタリストの笹子重治さんとのデュオ。つきだて花工房(024・573・3888)が午後1時半開演、前売り3000円、当日3500円。マジー・ノアール(024・522・5535)が午後7時開演、前売り4000円、当日4500円。【錦織祐一】

毎日新聞

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