事故続出の皿倉山スライダー、市議会3会派が改善計画求める 北九州

2025/07/19 09:45 

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 北九州市八幡東区の皿倉山(622メートル)の山頂付近に設置されたロングスライダーで重傷事故が相次ぎ利用停止となった問題で、市議会の3会派は17日、市に原因究明と抜本的対策を求める申し入れ書を提出した。一方、市は対象年齢6~12歳に限って19日に再開する予定で18日、考え方を発表した。

 申し入れ書は「市民とともに北九州」の申し入れに、最大会派の「自民党・無所属の会」と「共産党」が同調し、連名で提出した。文書では市が事故原因を「正しい滑り方が周知できていなかった」などとしていることに対し「遊具としての安全性に問題がある可能性が高い」「単なる周知不足で説明がつかない」と疑問視。年齢制限や滑り方サポーターの設置は「一時的な対策」で根本的な解決にならないとして、専門家による検証などをもとにした改善計画策定を求めた。

 また、設置日の4月25日に事故が起こって以降、報道発表が同月27日、市議会への報告が7月10日となったことを念頭に「報告が遅れ、詳細や検証結果が十分に公開されていない」と批判。「市民の安全に関わる情報は迅速に透明性を持って公開されるべき」と訴えた。

 一方、市は「滑り台の再開の考え方」とする文書でメーカーに安全基準を満たしている点を確認し、類似する遊具が全国に約340基設置されているが対象年齢の利用者のけがが確認されていない、といった再開の理由を示した。【山下智恵、伊藤和人】

毎日新聞

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