「菅首相、早く帰れる状態に戻して」 避難指示解除の見通したたない福島の農家

2020/09/16 19:01 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 7年8カ月にわたって安倍政権で官房長官を務めた菅義偉氏が新しい首相に選ばれた。東京電力福島第1原発事故で大半の地域が帰還困難区域となっている福島県双葉町の花農家、吉田晴男さん(69)は、避難先のいわき市でラベンダーやカスミソウの栽培を続けている。吉田さんの自宅も同区域内にあり、避難指示解除の見通しはたっていない。菅首相には「まずは早く帰れる状態に戻してほしい」とリーダーシップの発揮を期待した。

 自宅は第1原発から約5キロ。20棟のハウスで半世紀近く鉢花を栽培していた。2011年3月の東日本大震災では大量の鉢が崩れたままの状態で、ハウスを離れざるを得なかった。今も2カ月に1回程度は自宅の様子を見に町へ戻るが、ハウスは朽ち果てているという。

 同じ帰還困難区域でも、自宅の目の前にある地区は除染やインフラ整備を集中させる「特定復興再生拠点区域」に指定され、22年春の避難指示解除を目指している。帰還見通しが示されない自宅の地区との違いを感じるという。「片付いてさっぱりした田んぼが広がるのを見るとうらやましい。きれいにしてもらえたら戻ろうという気にもなるだろうけど」と町全体の整備を願っている。【柿沼秀行】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報