<再開の土俵>相撲勘取り戻せず 「感染対策」影響が土俵に 出稽古禁止のまま秋場所へ

2020/08/02 20:35 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大相撲7月場所千秋楽の2日、日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は15日間を振り返り、新型コロナウイルスについて「陽性者が出なかったのは幸いだ。(当初は)無観客で(開催)と考えていたところ、感染対策強化に努めながら、お客さんを入れて開催できたのは非常に大事なことだと思う」と語った。

 定員4人のマス席を1人で利用し、声援も控えるなど「新たな観戦方式」を強いられた観客はもちろん、力士たちにも「感染対策」が求められた。濃厚接触者になることを防ぐため、支度部屋では準備運動をする時もマスクの着用が求められ、「慣れない」「息苦しい」などの意見が聞かれた。

 そもそも、力士たちは4月からぶつかりなど接触を伴う稽古(けいこ)の自粛が求められ、解禁になったのが6月25日。出稽古は禁止されたままで、横綱・白鵬は「今までにない場所を迎えることは、ちょっと想像ができない」と口にしていた。そんな不安が的中するかのように、初日から10連勝後に2連敗し、右膝の負傷で休場に追い込まれた。2日目から休場した鶴竜が初日に「腰砕け」で敗れたのは、足技が空振りしたもの。両横綱ともなかなか相撲勘を取り戻せず、コロナ対策の影響が土俵に表れたかたちだ。

 土俵外でも不要不急の外出が禁止されたが、場所中には田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)や前頭・阿炎らの外出が判明した。ただ、協会員は3月の春場所前から外出自粛が求められ、窮屈な生活が続いているのも確か。芝田山広報部長は2日、今後は師匠の許可が得られれば外出できることを各部屋に通達したことを明かした。これにより力士らの帰省が可能になり、親方も新弟子のスカウトに出かけられるという。

 来週には稽古が再開されるが、出稽古は禁止のまま。2週間後には新しい感染対策の指針が示され、力士全員が抗体検査を受けることになる。芝田山広報部長は「そうでないと次の場所を迎えられない」と言う。

 秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の番付発表は、予定通りなら8月31日に行われる。さらに11月の九州場所も、会場が九州から東京に変更される。全国で感染が拡大する中、7月場所の成功に甘んじることなく、協会員にはさらなる自覚と慎重さが求められる。【村社拓信】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報