都が新たなモニタリング指標 休業要請の数値基準設けず

2020/06/30 20:56 

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 東京都は30日、都内の新型コロナウイルスの感染状況をモニタリング(監視)する指標を見直し、新たに「感染状況」と「医療提供体制」を表す7項目を設けると発表した。感染が再拡大した際の休業の再要請は新たな7項目の動向や専門家の意見も踏まえて総合判断し、「東京アラート」の運用はとりやめる。経済へのダメージが大きい休業要請などにつながる従来の数値基準は事実上撤廃した形で、新項目の活用は7月から試行して本格実施する。

 小池百合子知事は同日の都対策本部会議で「感染拡大防止と経済社会活動との両立を図る」と述べた。その後の記者会見では、休業の再要請の可能性について「一つの考えとしてある」と否定はしなかった。

 7項目で「感染状況」を把握するものとして、①新規感染者数②東京消防庁の救急相談センター(#7119)への発熱等相談件数③経路不明者の数と増加比――の三つを採用した。

 「第2波」に備え、医療提供体制を重視する。医療機関の逼迫(ひっぱく)度合いを見るため、救急患者の受け入れ先を見つけるまで20分以上かかるなどした場合、都指定医療機関で受け入れる「東京ルール」の適用件数などを活用。「感染状況」以外の項目は④PCR・抗原検査の陽性率⑤東京ルール適用件数⑥入院患者数⑦重症患者数――とした。①~⑤は週平均の数値を算出し、前週や緊急事態宣言中の最大値と比較する。7項目については週1回程度、専門家から分析を得て対応を検討する。

 一方、項目ごとに、休業の再要請などを出す際の基準値は設けていない。経済活動が再開する中、数値基準だけによって休業の再要請に踏み切るのは現実的ではないと判断したとみられる。都内の医療提供体制は宣言期間中と比べて比較的余裕もあり、庁内からは「数値基準があると都の判断が縛られてしまう」などと懸念の声が上がっていた。

 都はこれまで直近1週間平均で①1日あたりの新規感染者数②新規感染者に占める感染経路不明の割合と、③週単位の感染者増加比――の3指標が数値基準を一つでも超えれば④重症患者数⑤入院患者数⑥PCR検査の陽性率⑦受診相談窓口の相談件数――を勘案し、アラートを発令したり、休業の再要請をしたりするとしていた。【古関俊樹、内田幸一、長屋美乃里】

 ◇東京都の新たなモニタリング項目

感染状況 ①新規感染者数

     ②東京消防庁の救急相談センターの相談件数

     ③感染経路不明者数と増加比

医療体制 ④検査の陽性率(PCR・抗原)

     ⑤救急医療の「東京ルール」の適用件数

     ⑥入院患者数

     ⑦重症患者数

※①~⑤は週平均で算出

毎日新聞

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