新型コロナ感染判明 日本人新たに7人 渡航歴確認できず 和歌山と北海道の2男性が重症

2020/02/14 23:15 

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 新型コロナウイルスによる感染症で、厚生労働省などは14日、中国・湖北省と浙江省への渡航歴が直近では確認できない日本人7人の新たな感染が判明したことを明らかにした。うち2人は病院の集中治療室に入るなど重症という。厚労省は感染経路を調べているが、国内での感染は広がりを見せている。

 7人のうち、重症者は、和歌山県の70代男性と、北海道の50代男性。

 和歌山県などによると、70代男性は13日に感染が判明した50代の男性外科医が勤務する「済生会有田病院」(同県湯浅町、184床)に一時入院していたが、外科医とは接点がない。院外などで感染した可能性もあるという。

 県によると男性は1人暮らしで、1日に発熱や嘔吐(おうと)などの症状を訴えて県内の別の医療機関を受診。6日に熱が39度まで上がったため有田病院に入院し、肺炎と診断された。症状が悪化して13日から他の病院で治療を受けている。

 男性は有田病院では内科を受診。先に感染した外科医は発熱などのため6日以降は出勤しておらず、男性との接触はなかった。男性が有田病院を受診する前から症状を訴えていることもあり、記者会見した仁坂吉伸知事は「(2人が)院内感染したという認識はない」と語った。厚労省によると、本人からの申告では渡航歴はないという。

 有田病院を巡っては、この2人のほか、同僚の男性医師と、患者の男女の計3人も肺炎を発症している。このうち70代の女性患者は13日のウイルス検査で陰性だったが、県は14日に再検査を実施。他の2人や最初に感染が判明した男性医師の濃厚接触者の検査もしている。今後は有田病院に勤務する他の医師や入院患者にも対象を広げる。

 厚労省は院内感染防止のため、有田病院に専門家を派遣する。

 北海道内に住む50代男性は、11日から道内の医療機関に入院。現在は集中治療室で人工呼吸器を装着しており、重篤な症状という。本人の申告では、症状の出る前の約2週間は海外への渡航歴はないという。男性は1月31日に発熱などを訴え、2月3日に医療機関を受診。14日に陽性と判明した。

 東京都は、感染した70代男性のタクシー運転手の濃厚接触者の調査で、新たに2人の感染を確認したと発表。所属先の個人タクシー組合支部の新年会で使った屋形船のアルバイトの70代男性と支部の50代の女性職員で、屋形船の男性は、中国・武漢市からの観光客と接触歴があった。都は屋形船から感染が広がった可能性があるとみて調べている。神奈川県によると、国内初の死者となった80代女性は運転手の義母。運転手の妻に当たる自分の娘と1月21日、県内で会っていた。

 沖縄県は、沖縄本島南部在住の60代の女性タクシー運転手の感染を確認したことを明らかにした。集団感染が起きているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が2月1日に那覇港(那覇市)に寄港した際、乗客4人を県内の観光施設まで約40分間乗せた。乗客は全員日本人だったとみられる。5日からせきや関節痛などの症状が出たが、7日まで勤務していた。入院中で容体は安定しているという。

 県では、同船から約2600人が下船したとみて、接触した可能性がある観光バスの乗務員ら約200人の健康状態を調べていたが、この運転手は申し出がなかったため、対象には入っていなかったという。

 名古屋市は、市内在住の60代の無職の男性が検査で陽性と判定されたと発表した。男性は発症前の2週間の間に中国への渡航歴はないという。市によると、男性は1月28日に米ハワイ州に渡航し、2月7日に帰国。8日に39度の発熱があった。

 さらに厚労省は、横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセスの船内で感染が確認された患者を搬送していた30代の男性消防士が感染したことを明らかにした。男性は作業中にゴーグルとマスクを着用していた。

 厚労省は、ダイヤモンド・プリンセスの乗客のうち、ウイルス検査の結果、陰性が確認された80歳以上の11人が下船したと発表した。下船後、政府が用意した埼玉県内の宿泊施設に移った。

 長引く船内待機で体調を崩す高齢者が相次ぎ、政府はウイルス検査で陰性が確認された高齢者を下船させる方針を示していた。一方、同省は乗船者のうち重症者が2人増え、計12人になったことを明らかにした。うち11人は検査で陽性が確認されている。

 また、中国・武漢市からのチャーター機第3便で帰国した145人のうち60代女性が陽性だったと明らかにした。

 国内で感染が確認されたのは、クルーズ船218人▽その他41人――で計259人となった。【黒川晋史、内田幸一、遠藤孝康、阿部亮介、真貝恒平】

毎日新聞

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