千葉・館山市 災害ごみ仮置き場受け入れ停止 台風15号から2カ月待たず

2019/11/09 10:03 

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 台風15号が上陸してから9日で2カ月が経過する。多数の住宅が損壊するなど、甚大な被害が出た千葉県館山市は、10月27日に災害ごみの仮置き場への受け入れを停止した。市民からは「早すぎる」「これからもごみが出るのにどうしたらいいのか」などと、憤りの声が上がっている。

 市が仮置き場への受け入れを停止したのは瓦や外壁材などの災害ごみ。現在は、通常受け入れている可燃物や不燃物などの種類のごみに限り、罹災(りさい)証明書または被災証明書があれば同市の環境センターに無料で持ち込めるという。ただし瓦や外壁材、コンクリートブロックなどは専門業者に頼むなどして個人で処理するしかない。

 受け入れを停止した理由について、市は「片付け終了は災害発生から1カ月くらいが目安とみている。どこかで区切りをつけなくてはいけない」などと説明している。

 一方、県が台風15、19号の対応に伴って策定した「災害廃棄物処理実行計画」のスケジュールでは災害ごみの撤去は今月末までとされており、市の受け入れ停止はこれより1カ月も早い。県によると、台風15、19号に伴い仮置き場を開設した県内32市町村のうち、今月8日時点で10市町が受け入れを続けている。

 環境省の担当者は取材に「便乗ごみ防止などのため、発災からおおむね1カ月半程度で受け入れを収束するのが一般的だと市には助言した。ただ、『まだごみを出したい』という市民からの要望があれば対応を取るものだとも説明した」と話す。

 市内でも被害の大きかった洲崎地区では、受け入れ停止の数日後も、まだ片付けられていない災害ごみが住宅敷地内に置かれたままになっていた。住民の60代女性は「ブルーシートを張っている家の屋根には壊れた瓦が残ったままで、ごみはこれからもたくさん出る。今回の行政の対応は問題だ」と憤りをあらわにした。

 複数の館山市議からは、市が受け入れを停止する前から受け入れ期間を延長すべきだとの意見が出され、議長が市に申し入れをしたものの決定は覆ることはなかった。市社会福祉協議会が運営する災害ボランティアセンターも10月27日に閉鎖されており、災害ごみの受け入れ停止でボランティアによるごみの搬出作業ができなくなったことが閉鎖の理由の一つとされた。

 石井敏宏市議は「現場感覚のない対応だ。ニーズが多い段階の締め切りは早すぎるし、告知も不十分だった」と指摘。処理費用については国庫補助金があるものの1割は市町村負担となることから、「市には費用が膨らむことへの心配もあるのだろうが、支援する側の都合で打ち切ってはいけない」と話した。【町野幸】

毎日新聞

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