仮設校舎の歩み、映像に 原発事故で避難の小6 福島・富岡町立小

2018/12/07 11:15 

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 東京電力福島第1原発事故後、古里の福島県富岡町を離れ、約50キロ離れた同県三春町の仮設校舎で授業を続ける富岡町立小学校の三春校に通う6年生3人が、教諭や保護者らの証言を記録した映像を制作している。富岡町では今春学校が再開され、三春校は4年後の閉鎖・解体が決まっている。3人は「ぼくたちが過ごした三春校を知ってほしい」と意気込んでいる。

 「三春校をつくるまでの苦労は」「再開直後の子どもたちの様子は」――。11月のある日、教室で6年生の横田空(そら)さん(12)、原田蒼史(あおし)さん(11)、根本大夢(ひろむ)さん(11)が撮りためてきた映像を真剣な面持ちで見つめた。撮影したインタビュー動画には、三春校の元教諭や卒業生の母親ら4人が登場。開設のいきさつや当時の学校の様子などを語った。

 三春校は原発事故から半年後の2011年9月、中学校や幼稚園と合同で開校した。部品製造工場の事務棟だった建物を校舎に転用し、富岡町から三春町や郡山市に避難した児童29人でのスタート。教職員らは教材やランドセル、机やホワイトボード、理科の実験道具などあらゆる備品の調達に奔走した。これまでに53人が卒業。現在は児童12人が学ぶ。

 6年生3人は幼稚園から仮設校舎に通う。中学を卒業する22年3月、仮設校舎は閉鎖される。慣れ親しんだ校舎が4年後に取り壊されることを知り、3人は「学校の歩みを残したい」と感じた。授業で町民インタビューに取り組んだことがあり、経験を生かして春から映像制作に挑戦してきた。

 授業で外部講師を務める東京の番組製作会社のディレクター、伊賀俊徳さん(37)らの助言を受けながら7〜8月、ビデオカメラを動かして相手に質問した。インタビューは緊張の連続だったが「地震直後の大変な様子を知ることができた」(根本さん)、「三春校をつくるまでの先生たちの苦労や思いが伝わった」(横田さん)と得るものは多い。今は映像の編集作業に取り組む。

 原田さんは「ぼくらにとってはここが当たり前の場所。富岡や三春だけじゃなく、全国の人にこの学校のことを伝えたい」と話す。完成後は両町などで上映会を開く予定だ。【尾崎修二】

毎日新聞

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