不条理な暴力に屈さず ラップデュオ「SUGAR CRU」新作

2020/10/18 09:00 

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 静岡市のラッパー、GOMAとMUSHによるデュオ「SUGAR CRU」が、DJ RYO−TA(浜松市出身)と組んで3曲構成のシングルパック「Deadman Walki’n」を配信リリースした。磐田市の日系ブラジル人らでつくるグループ「グリーンキッズ」からラッパーBARCOを迎えた「2020」では、重いビートにのせたラップで米国発の人種差別反対運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」への連帯を表明する。
 「僕らと同じスタンスで曲を作っているグループはいない。基本的にビート、リリック(歌詞)は重たいか、悲しいか、どっちか」。四半世紀にわたってラップを続けるGOMAは、力を込める。今回の3曲は、特に太い低音が特徴。トラックメーカーはそれぞれ異なるが、不穏で危険な雰囲気が全曲を貫く。「人と同じ事をやっていても仕方がない。生き方がにじみ出るのがラップ。説得力が大切」
 両親が離婚して貧困にあえぐ中、一筋の光明としてラップを含めたヒップホップ文化に出合った10代の経験が、米国の黒人文化への敬意を生み、BLMへの共感につながった。「2020」では、人種差別や戦争に終止符を打とうと呼び掛ける。「デモをやってる彼らと共闘している気持ち」という。
 英国在住の姉のパートナーが黒人で、デモにも参加している。GOMAは「BLMは決して人ごとではない」という。ヒップホップの一翼を担う者としての使命感も、強いメッセージを打ち出すきっかけになった。
 「2020」では人間の心に巣くう差別感情に対し、繰り返し「色眼鏡噛み砕け」と語り掛ける。このパートを担当するのがBARCOだ。「彼は小さい頃から日本で差別的な扱いを受けてきた。当事者の言葉を入れ込むことに意味がある」とGOMA。「権力による不条理な暴力に屈してはいけないという思いがある。ラップする以上、そういう心は持ち続けたい」
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