ブロック塀対策、静岡県内でも広がり 撤去や改善、市町補助活用

2019/01/13 09:25 

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 倒壊したブロック塀や石塀の下敷きとなって小学生や高齢者が死亡した昨年6月の大阪府北部地震をきっかけに、静岡県内の一般住宅でも不適格なブロック塀を撤去、改善する動きが広がっている。市町の補助制度を活用した所有者による工事の増加に加えて、自治会などが積極的な対策に取り組む地域もある。業界団体も支援を行い、安全なまちづくりの拡大を後押ししている。
 「万が一にも事故が起きては困る。しっかりとした工事で対処した」。昨年12月、静岡市駿河区の市立長田西小学区の一角。自宅脇のブロック塀沿いの通学路を歩いて下校する子どもたちに目を細めながら、今村邦久さん(76)は話した。
 設置から約40年が経過したというブロック塀は高さ約1・6メートル、長さ約30メートル。表裏に取り付けた3本の平らな鋼でブロック同士を固定し、塀の後ろからコンクリートの基礎を埋めた補強用の控え柱が約3メートル間隔で支える。「これまで塀を補修したことはなかった」と振り返る今村さん。今回は市の補助も受け、ブロック塀の一部撤去なども同時に行った。
 同市葵区の麻機学区自治会連合会は、小学校区単位で対策を進めている地域の一つ。市の依頼に基づき昨夏、町内会長らが道路に面した約350カ所の塀を目視で調査した。高さやひび割れ、傾きの状況などから安全性が確認できなかった約100カ所については、工事の補助制度を周知する資料を配布するとともに市に報告した。地域としても継続的な対応を検討している。
 同連合会防災委員長の木原重之さん(67)は「ブロック塀の所有者に配慮した上で、地域に影響を及ぼす危険性は排除する必要がある」と強調する。調査後には麻機学区でも、塀の高さを下げたり素材を変更したりする工事を度々見掛けるようになったという。
 住宅やマンションの外構工事などに関わる業者でつくる日本エクステリア建設業協会県支部は3月末まで、専門知識を持つブロック塀診断士による簡易診断を無料で実施。大阪府北部地震後に急増した所有者からの点検要望に対応している。
 同協会の井上斉県支部長は「法令などに従って正しく施工・改修したブロック塀は地震にも十分耐えられる」とした上で、屋外に長年さらされているブロック塀は住宅と同様、定期的なメンテナンスが重要だと説明。「既存不適格や違法なブロック塀を減らすためにも、行政と連携して所有者の意識変化を促していきたい」と話す。

 ■住宅耐震化、波及に期待 県、補助増額21年春まで延長
 県内で補助制度を活用して不適格なブロック塀を改修する動きが拡大する中、県建築安全推進課は耐震性の低い木造住宅を対象に、最大30万円の補助金上乗せを継続している住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)―0」への波及にも期待を寄せる。
 増額対象は旧耐震基準の1981年5月末以前に建設された耐震性の低い木造住宅。当初は熊本地震を踏まえた施策として2017年1月〜18年3月までの時限措置だったが、現在は国の制度も踏まえて21年3月まで延長している。市町や条件によって異なるが、上乗せも含めた補助額合計は現在、45万〜125万円となっている。
 同課によると、補助が増加した直後の17年実績は、前年比2・4倍の1748件の申請があった。一方、18年実績は1〜11月時点で993件で、前年ほど伸びていない。
 耐震性が不十分な木造住宅は13年度の総務省調査で県内に約23万戸あると推計されている。同課は「住宅倒壊が近隣住民の危険につながる可能性もある。ブロック塀の撤去や改善と同様に対策を進めてほしい」と呼び掛けている。
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