伊東の駅そば、3月末閉店へ 「きざみ」名物、愛され57年

2019/01/11 17:15 

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 伊東市のJR伊東駅の駅弁を製造販売する「祇園」(同市)は3月末、同駅構内で営業する立ち食いそば店を閉める。看板駅弁のいなりずしに使われる油揚げが入った420円の「きざみそば・うどん」が名物で、駅の利用者だけでなく、近隣住民のファストフードとしても親しまれてきた。守谷匡司社長(48)は「2月で開店から57周年。地元の皆さんに愛され、半世紀以上続けてこられた」と感謝を口にする。
 独特の書体で書かれた「そば、うどん」の看板が、昭和の雰囲気を漂わせる店は、同社が駅弁の製造販売を始めた3年後、1962年に開店した。駅弁の売店に併設された同駅構内唯一のそば店で、現在も1日約100人が利用する。
 「きざみそば・うどん」のほか、幕の内弁当と同じ唐揚げが入った「唐揚げそば・うどん」(540円)も駅弁店が経営するそば店ならではのメニュー。そばつゆはサバの削り節でだしをとって手作りするほか、天ぷらも自家製にこだわる。
 ホームと改札の外の両側から利用できることから、客の約7割が地元住民という。駅前に事務所を構える男性弁護士(45)も常連の一人で、「出掛ける時、持ち込み容器に入れてもらい、電車内で食べたことも。古き良き“鉄道グルメ”がなくなるのは寂しい」と残念がる。
 閉店のきっかけは駅の改装工事。そば店の利益は上がっていたが、駅弁の製造販売に経営資源を集中するため、そのまま店を閉める決断をした。駅弁販売は場所を移し、駅構内で続ける。守谷社長は「創業からちょうど60周年。今まで支えていただいた感謝を胸に、新たなスタートを切りたい」と話した。
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