道議席から不適切なヤジ 再稼働容認の道議会で「今こそ緊急銃猟」

2025/12/02 16:23 

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 北海道知事が北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の再稼働を容認した11月28日の道議会で、知事の答弁に異議を述べた共産党道議に対し、議員席から「今こそ緊急銃猟」などと不適切な発言があった。共産党道議団は2日、道議長に対し、発言した道議からの謝罪と議会での再発防止策の検討を求めた。

 鈴木直道知事は28日の道議会一般質問で「原発の活用は当面取り得る現実的な選択」と再稼働を容認。最終的な道の同意は「今定例会での議論を踏まえ総合的に判断する」と述べたが、直後に「最終的に判断する」と訂正した。

 この知事の訂正に関し、共産党の真下(ました)紀子議員が「最重要な政治判断で追加説明を求める」と要望し、議事は約20分間中断。再開後、知事は訂正の理由を「読み間違え」と説明した。

 中断の間、自民党・道民会議の議員席から「反対一回やると癖になって知恵ついてくる」「今こそ緊急銃猟」とのヤジがあがった。このヤジは毎日新聞が録音した音声データでも確認できた。

 緊急銃猟は市街地にクマなどが出没した場合、市町村の判断で発砲できる制度で、クマ出没の深刻化を受けて9月に始まった。

 真下氏は議長への緊急要請後に記者会見を開き、「私を野生鳥獣に例え、始末しろという意味に聞こえる。銃口を人に向けるような発言でショックと身の危険を感じた」と述べた。その上で「議員の言論を萎縮させかねない重大な事態。議会全体の品位が疑われる」と主張した。【後藤佳怜、片野裕之】

毎日新聞

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