国民民主が全国の選挙区で唯一、２人を擁立した参院選東京選挙区（改選数６、欠員補充１）で、新人で元ＮＨＫアナウンサーの牛田茉友氏（４０）が当選を確実にした。玉木雄一郎代表ら党幹部が連日応援に入り、東京選挙区での党初議席獲得に奔走した。記者会見場も党本部の開票センターと同じ新宿区内のビルに設けられた。

　４月に公認が発表され、「公職選挙法について知らないことが山ほどあって、誰に聞いたらいいんだろうという状態だった」と自嘲するほどの出だしだったが、６月の都議選で国民民主が議席ゼロから９へと躍進した勢いに乗った。

　選挙戦では、アナウンサー時代に発達障害の支援や自殺対策の取り組みを取材した経緯を踏まえて「根本から課題を解決したい」と国政への意欲を繰り返し訴えた。中盤以降は、自身がいじめ被害に遭った体験も語り、子育て世代や若年層などに浸透した。

　送迎車が執拗（しつよう）に追尾されたことなどから一時は活動予定の公表を中断するトラブルに見舞われたが、移動の車中でライブ配信するなど交流サイト（ＳＮＳ）を駆使して有権者に声を届けた。【洪玟香、柿崎誠】