通年でネクタイやめました 市役所に服装革命で効率化 埼玉・羽生

2023/01/23 12:30 

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 さよならネクタイ――。埼玉県羽生市は通年で、市職員に「ノーネクタイなどの働きやすい服装での勤務」を試行している。省エネ対策、執務の効率化が目的。県などは今のところ、通年でのノーネクタイ導入予定はないとしているが、クールビズやウォームビズが定着する中、自治体職員の「ドレスコード」は変わる兆しを見せている。【隈元浩彦】

 <来庁者の皆さまへ 市民サービスのさらなる向上を目的としてノーネクタイ等の働きやすい服装での勤務を実施しています。市民の皆様のご理解をお願いします>

 そんな張り紙が羽生市役所の入り口に掲げられたのは2022年11月1日のこと。この日から23年3月31日までの予定で、職員の“服装革命”試行が始まった。

 市総務課の島村信久課長は「職員の提案で導入することになった。働き方改革や省エネなどいろいろな狙いがあるが、結果的には環境省の動きが背中を押した」と話す。冷暖房の過度の使用を控えるクールビズ、ウォームビズを提唱してきた環境省は、21年度から全国一律の実施期間設定をやめ、柔軟な対応を求める姿勢に転換した。

 服装の自由化に関して、羽生市は苦い経験がある。クールビズが定着して間もない頃、職員の服装の乱れが一部で見られた。中には膝掛けを腰に巻いたまま窓口応対し苦情が寄せられるケースもあったという。

 憂慮した市は15年末に「ドレスコードガイドライン」を策定した。清潔感▽機能性▽職場との調和▽TPO(時・場所・場合)に適していること――の4項目を掲げ、身だしなみの具体例を写真入りで掲げた。「社会人に何もここまで」という声もあったというが、島村課長は「服装の乱れは心の乱れにつながる。市民に信頼される公務員のあるべき服装についての最低限の約束事は必要。ガイドラインが徹底したことで、通年ノーネクタイにしてからも苦情はありません」と言う。試行期間終了後、直ちに本実施に移行したいとしている。

 先行自治体の一つが鴻巣市だ。環境省の動きに先立つ20年11月から「スマイルビズ」の名の下、通年ノーネクタイなど軽装での勤務を実施している。職員課によると、SDGs(持続可能な開発目標)の推進の一環と、働きやすい職場環境づくりを目的に導入した。男性職員は一様にノーネクタイ。市民との接点となる各課のカウンターには「軽装での勤務を実施。ご理解をお願いいたします」と書かれた告知ボードが置かれている。「市民からの苦情はありません」と千葉文彦副課長。

 ◇県など「通年」は足踏み

 一方、近隣の行田、加須の両市は未導入。「ウォームビズの一環でタートルネックは認めているが、通年ノーネクタイを主眼にした取り組みについては議論になっていない」(加須市職員課)、「職員から一度、ノーネクタイの提言があったが、検討した経緯はない」(行田市人事課)。

 県人事課管理担当者は「ノーネクタイ実施の自治体について、県は集計していないが、自治体から数件、県庁は通年ノーネクタイなのかという問い合わせを受けたことはある。県としては通年での軽装に前向きという状況には至っていない」と話す。それでも、県は冬季の節電に関する庁内通達の中で、22年度は暖かい服装の例示として初めてタートルネックを掲げたという。

 羽生市の島村課長は大学時代、礼儀に厳しい体育会サッカー部に所属。実はノーネクタイには若干抵抗があったらしいが「いざやってみると、楽なんですよ」と苦笑した。

毎日新聞

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