クルーズ船「14日から陰性の方は下船」 海外の批判は「適切に対応」 菅官房長官会見詳報

2020/02/13 18:34 

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 新型コロナウイルス感染症などについて、13日午後の菅義偉官房長官の記者会見で質疑があった。菅氏はウイルス陽性の乗員乗客が増える横浜港のクルーズ船について「14日から陰性の方の下船を実行していきたい」と説明。クルーズ船を巡る対応にロシアなどから批判が出ていることに対して「適切に対応してきている」と反論した。主なやりとりは以下の通り。【秋山信一】

 ◇新型コロナウイルス

 --新型肺炎について。厚生労働省はクルーズ船で陰性が確認された高齢者らを優先的に下船させると発表した。早い段階で下船はできなかったのか。このタイミングで下船判断に至った経緯、背景は。

 ◆まずクルーズ船については、横浜港に入港後にまずは発熱等の症状のある方、そしてその濃厚接触者、香港で感染が確認された方の濃厚接触者の検査を行ってきました。その上で、検査能力を拡充し、新たに症状が出た方に加えて、80歳以上の高齢者など優先度の高い方からできる限り検査を進めるべく対応してきました。

 こうした状況の中で、新型コロナウイルス感染症とは別に、年齢や基礎疾患などの健康確保の観点からのリスクの高い方については、陰性が確認された場合には下船して宿泊施設で生活していただくか、船内にとどまっていただくか、ご意向を伺うことにしたとそのように承知しています。この対応についてはまず明日から、80歳以上の方から順次実行に移していきたいと思います。

 --クルーズ船を巡る日本政府の対応について、米国では閉鎖空間にとどめることで感染リスクを高めているなどと疑問視する報道も出ている。これに対する受け止めと、これまでの日本政府の対応で改善すべき点があったのかどうか。

 ◆まず、この感染症の状況については、世界保健機関の統計においても、検疫中の今般のクルーズ船で確認された感染者については日本国内とは別の計上とされており、日本国内で今般の感染症が流行している状況には決してないことをまず申し上げたいと思います。

 その上で、ご指摘のクルーズ船については、乗客に自室で待機していただくなど、船全体の感染リスクを下げた上で、検査態勢の拡充を図りつつ、症状のある方や高齢者など優先度の高い方からできる限り検査を進めてきました。さらに今般、先ほど申し上げたように、健康確保の観点から陰性が確認された場合には、下船して宿泊施設に滞在していただくことを選択できるようにしたところであって、まさに引き続き、乗員乗客の皆さんの健康確保に最大限配慮して、対応していきたいと思います。

 --下船した方の宿泊施設はどこを考えているのでしょうか。

 ◆滞在施設については現在調整中です。明日までには間違いなく手配をしております。

 --下船された方々の健康観察期間の終了日はいつになるか。この期間は14日のままなのか、12・5日なのか、この点についてはどうでしょうか。

 ◆健康観察期間については、クルーズ船に関する今後の検査能力の確保の状況などを見極めつつ、判断していきたいというふうに思います。

 --検疫法とか感染症法の政令の改正をこのタイミングで行うということだが、これはクルーズ船の対応のためか。

 ◆出入国管理法に基づき入国制限の対象とする地域が浙江省まで拡大された、こうしたことを受けて、感染拡大の防止に万全を期すために、検疫法上の隔離、停留を可能とするとともに、症状のない病原の保有者について入院措置等の対象とすることと、そのように承知しております。

 --下船の選択を今回できるようにしたのは、なぜこのタイミングになったのか。

 ◆冒頭申し上げた通りであります。入国後にまずは発熱症状のある方、さらにその濃厚接触者、そして香港で感染確認された方の濃厚接触者の検査を行ってきました。その上で、新たに症状が出た方に加えて、80歳以上、高齢者などの優先度の高い方からできる限りこの検査を進めてきました。

 そうした中にあってですね、このコロナウイルス感染症とは別に年齢や基礎疾患などの健康確保の観点からリスクが高い方について、陰性が確認された場合には下船して宿泊施設で生活していただくか、船内にとどまっていただくかということは、ご意向を伺うことにしたということであります。

 --最終的にこの判断に至った背景というのは、態勢が整ったからなのか、各国から要望があったからなのか、船内の環境が変化したという判断なのか、その判断の背景というのはいかがでしょうか。

 ◆判断の背景というのは今、私が申し上げた通りであります。

 --横浜沖のクルーズ船の対応を巡って、ロシアの外務省の報道官が対応を批判している。こういった批判に対して、政府として国際社会にどう理解を求めるか、改めて考えをお聞かせください。

 ◆まずクルーズ船での感染拡大防止に向けた政府の取り組みについては、今説明した通りであって、適切に対応してきている、こういうふうに思ってます。

 ご指摘のロシア政府関係者によるメディアを通じた発言というのは承知しておりますが、その一つ一つについてコメントは差し控えます。いずれにしろ政府としては、ロシアを含むですね、関係国の大使館等とも連絡を密にして、政府の取り組みについて、丁寧に説明しています。日本に入港してから、56カ国ですか、関係の国の大使館には全て説明をして、対応策もしっかり、という形でやってきております。

 --政府は緊急対策案を近く発表する予定だが、改めてこの目的と狙いを教えていただけますか。

 ◆まず政府としては、国民の不安、これをしっかり受け止めて、水際対策の強化、国内の検査態勢や相談態勢の充実、拡大といった蔓延(まんえん)防止対策の徹底など、国民の命と健康を守ることを最優先に、必要な対策をちゅうちょなく実施していきたいと思います。このために、与党の提言などもふまえて、第1弾として本日、開催される対策本部において、予備費も活用して当面、緊急に措置すべき対応策、ここをしっかり行っていきたいというふうに思います。

 ◇子育て支援

 --衛藤晟一大臣が今月10日の記者会見で、子供が多い世帯に手当を傾斜配分する案を検討していく考えを示されました。財源とのバランスが当然必要になってくるが、政府としてはそういった子育てに関する手当の拡充についてはどのようにお考えでしょうか。

 ◆衛藤大臣の発言は承知しております。少子化対策についての政治家としての強い思い、そうしたものを述べられたというふうに認識しています。

 いずれにしろ、政府としては国難というべき、この少子化に真正面から立ち向かうために、必要な財源を確保しながら、総合的な少子化対策を進めることで希望出生率1・80、この実現を目指していくことにしています。このため、今年度内を目途に策定を予定している新たな少子化対策、この大綱において目標実現に向けた道筋というものを示していきたいと思います。

【IR汚職事件】

 --IR事業を巡る汚職事件で起訴された、IR担当の副大臣だった衆院議員の秋元司被告が昨日、保釈されました。本人は今後、国会出席する考えとのことだが、これに関するご所感をお願いします。また、野党は証人喚問を求める構えですが、この必要性についてどう思いますか。

 ◆国会に出席するかどうかは秋元議員本人が判断することだと思います。そういう意味でコメントは差し控えたいと思います。証人喚問については国会で判断されることだと思います。

 ◇桜を見る会

 --桜を見る会を巡って、48(よつば)ホールディングスやジャパンライフがマルチ商法の勧誘を拡大していた疑いがあるわけですが、政府は、これまで、桜を見る会という首相主催の行事が、そのような企業や個人の不当な行為に利用される可能性を想定したことはあったのですか。

 ◆あの、午前中に申し上げた通りであります。いずれにしろ、桜を見る会が、企業や個人の違法、不当な活動に利用される、まあ、こういうことは決して容認できないということであります。 

毎日新聞

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