三つどもえ激戦必至 京都市長選19日告示 与野党相乗りvs共産vs地域政党

2020/01/15 10:39 

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 2020年最初の大型選挙となる京都市長選が19日、告示される。共産党支持が強い地域性から、与野党相乗り推薦で4選を目指す現職と共産系新人の争いを軸に、地域政党出身の新人が割って入る三つどもえの様相を呈している。保守票が割れ、非共産がわずか951票差で共産系に辛勝した08年選挙に構図は酷似し、2月2日の投開票に向けて激戦は必至だ。

 主要な立候補予定者は、いずれも無所属で、現職の門川大作氏(69)=公明、自民府連、立憲民主府連、国民民主府連、社民府連推薦▽新人で弁護士の福山和人氏(58)=共産、れいわ新選組推薦▽新人で市議の村山祥栄氏(41)。

 「非常に厳しく、今まで通りでは当選できない」「気を抜いたら革命が起き、市役所に赤旗が立つ」。19年暮れにあった門川氏の事務所開きで、自民、公明の京都府組織の幹部が危機感を口にした。門川氏は08年の激戦を制して初当選し、現在3期目。長期の相乗り体制が生む「慢心」の戒めに陣営は躍起だ。

 政令市長推薦は「3期まで」と規定する自民は「4選の大物市長になるとコントロールが利かない」(府連幹部)との本音もあり、当初は復興事務次官経験者の元国土交通官僚、西脇隆俊氏の擁立を模索した。だが、西脇氏は18年に知事となり、人選は難航。19年10月に村山氏がいち早く出馬表明したことで、時間切れの形で知名度のある門川氏の続投を容認した。国民府連幹部も「非共産の枠組みが第一」と話し、消去法での推薦とも言える。

 国政で激しく対立する与野党の間には温度差もある。立憲の府連会長だった福山哲郎参院議員は、中央では党幹事長として共産との「野党共闘」を推進する立場でもあり、19年12月に門川氏推薦を決めると同時に会長職を辞した。陣営内には「共産との対決に及び腰」との疑念も渦巻く。

 共産系の福山和人氏は、関西建設アスベスト訴訟や原発の運転差し止め訴訟に携わった弁護士だ。18年の知事選にも立候補し、京都市内では有効投票の約46%を獲得。当選した西脇氏に得票率で7ポイント差まで迫った。

 今回の擁立過程では市民団体が前面に出て野党共闘を呼び掛けたが、候補者選定は共産主導で、「市民派偽装だ」(自民府連幹部)との批判も。一方で、19年夏の参院選でブームを起こしたれいわとの連携に成功。山本太郎代表が応援に入り、街頭演説に大勢の市民が足を止める。福山氏は「山が動く予感がする」と手応えを語る。

 「市民不在の候補擁立に嫌気がさした有権者に訴えたい」と、非共産相乗り対共産の構図を批判するのが村山氏。08年の市長選にも立候補し、激戦のきっかけを作った。10年に地域政党「京都党」を創設し、市議会では一定の勢力(5人)も築く。

 政党・団体支援を受けずに「純粋無所属」「市民代表」を掲げ、他党の議員や支持者の切り崩しも図る。既に立憲の市議1人が離党して支援を表明した。

 日本維新の会は公募による独自候補擁立がかなわず「自主投票」を決めたが、松沢成文参院議員が19年末の村山氏の決起集会に駆け付けた。維新は16年の前回選で村山氏擁立に動いた経緯もある。

 市の誘致による外国人観光客やホテルの激増が市民生活にしわ寄せを生むなど新たな課題も顕在化している古都で、有権者の選択に注目が集まる。【澤木政輝】

毎日新聞

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