瀬取り対策で中南米支援へ 政府、19年度予算に盛り込み

2018/12/05 20:49 

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 政府は、北朝鮮船への違法な物資積み替え「瀬取り」対策を強化するため、海上保安に関する中南米諸国の能力構築支援に乗り出す方針だ。中米は他国の船主が船籍だけを移す「便宜置籍国」が多く、法規制や監督体制が緩いとの懸念が出ている。便宜置籍国による船の管理・監督強化を通じ、「瀬取り」の監視網を強化する。

 外務省が、2019年度予算案に約700万円を盛り込む。パナマやドミニカなどの便宜置籍国、パナマ運河の周辺国に対し、国際的な組織犯罪の取り締まりや大量破壊兵器の密輸などに関する法執行の理論や実務を教える。政府は「自由で開かれたインド太平洋」構想の一環としてアジア諸国の海上保安の能力構築を支援していたが、中南米への支援は初めてとなる。

 北朝鮮による「瀬取り」は国連安全保障理事会決議で禁止されており、日本政府は「瀬取り」防止を徹底したい考えだ。海上自衛隊は昨年12月以降、東シナ海でドミニカ船籍やベリーズ船籍の船が北朝鮮船籍のタンカーに横付けする様子を確認した。石油を積み替えていた疑いが濃厚だが、船舶の使用者はドミニカやベリーズと無関係とみられ、取り締まりが困難だった。

 中南米諸国の能力構築支援には、海運の要衝であるパナマ運河の周辺諸国の海上保安能力を高め、海上交通路の安全確保を図る目的もある。【秋山信一】

毎日新聞

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