駐日豪大使「同盟国と協力して紛争抑止」 台湾答弁巡り日本に理解

2025/12/09 12:24 

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 オーストラリアのジャスティン・ヘイハースト駐日大使が8日、東京都内で記者会見した。高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁で日中関係が悪化する中、「日本は地域と世界の平和と安定に貢献してきた」と日本の姿勢に理解を示し、「必要なのはルールと国際法を守ることだ」と述べた。

 また、台湾有事が起きた際の豪州の対応については「臆測での発言は控える」とした上で、「我々の立場は米国などの同盟国と協力して地域の安定を守り、紛争を抑止することを目指す日本と同様だ」と語った。

 日豪の防衛相は7日、安全保障の連携を巡って会談し、防衛当局間の協力を強化する「戦略的防衛調整枠組み」の設置で合意した。インテリジェンス(情報収集、分析活動)や宇宙・サイバーといった幅広い分野で平時から緊急事態に至るまで切れ目なく協議することを確認した。

 ヘイハースト氏は「日本との関係を強化することはインド太平洋地域の安定につながる」と強調。6日に日本の自衛隊機が中国軍機からレーダー照射を受けた事案に関しては中国に懸念を示し、日豪の連携の必要性を訴えた。

 一方、トランプ米政権が域内の同盟国に防衛支出の拡大を求めている問題については、「米国はインド太平洋の安全保障に関与を続けると自信を持っている。必要な防衛装備品には予算を充てる」と話すにとどめた。【飯田憲】

毎日新聞

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