小泉氏、日豪防衛相会談で中国のレーダー照射に言及 「冷静に対応」
小泉進次郎防衛相は7日、防衛省でオーストラリアのマールズ副首相兼国防相と会談した。両氏は6日に沖縄本島南東の公海上空で自衛隊機が中国軍機からレーダー照射を受けたことに触れ、東シナ海や南シナ海で覇権主義的な行動を強める中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認し、力や威圧による一方的な現状変更の試みに対する強い反対を表明。日豪の防衛協力を強化する考えで一致した。
会談の冒頭、両氏は中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射に言及した。小泉氏は「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為だ」と中国を批判し、「中国の行動に対し、我々は毅然(きぜん)かつ冷静に地域の平和と安定に向けて対応を進めていく」と強調。マールズ氏も「大変憂慮すべき事態だ」と指摘し、「日本と一緒に力を合わせて行動していく」と応じた。
また、会談後の共同記者会見で、マールズ氏が「台湾海峡を巡る現状の変更を我々は望んでいない。日豪がインド太平洋地域でルールを基にした秩序を守る上で協力していく点で一致した」と明らかにした。
さらに、両氏は豪海軍の新型フリゲート艦に日本の「もがみ」型護衛艦の改良型が採用されていることについて、来年3月までの契約締結に向けた進展を歓迎。防衛当局間での協力を強化する「戦略的防衛調整枠組み」を設置することも発表した。
両氏は会談に先立ち、防衛省内で豪州製の輸送防護車に乗ったり、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を見学したりした。マールズ氏は6日に長崎県でもがみ型を建造する三菱重工業の造船所を視察した。
日豪は2007年の安全保障協力に関する共同宣言をきっかけに、防衛装備品・技術移転協定、相互の部隊訪問に関する円滑化協定、情報保護協定などを次々と結び、「準同盟国」として連携を深めている。【竹内望】
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