ツタンカーメンの遺物5000点超 大エジプト博物館が開館 日本が支援

2025/11/02 03:18 

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 日本の支援で建設された大エジプト博物館(GEM)が1日、エジプトの首都カイロ近郊で正式にオープンし、現地で式典が開かれた。

 収蔵する遺物は約10万点に上り、単一文明を扱う博物館としては世界最大級になる。ツタンカーメンの黄金のマスクなど、古代エジプトを代表する遺物が展示され、エジプト観光の新たな拠点として注目を集めそうだ。

 GEMは、ギザの3大ピラミッドのそばにあり、敷地は東京ドームの約10倍の47万平方メートル。展示面積は約5万平方メートルで、大英博物館(約5・7万平方メートル)に匹敵する。

 2012年に建設が始まったが、パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘などにより、開館がたびたび延期されていた。

 館内には古代エジプト文明を時代・テーマ別に紹介する常設展に加え、ツタンカーメンの秘宝を集めた専用展示室を設置。エジプト各地の博物館で分散して展示していた遺物5000点以上を集め、日本語の解説とともに公開している。

 また、約4500年前に建造された2隻のクフ王の船も展示している。このうち、東日本国際大の吉村作治総長らが復元を進めている「第2の太陽の船」は、修復作業の様子を見学できる。

 日本はGEMに842億円の円借款を行ったうえ、国際協力機構(JICA)が多数の専門家を派遣し、遺物の保存・修復や移送などを支援。2000人を超えるエジプト人の技術者も育成した。

 2、3日は来賓による観覧が行われ、一般観光客は4日から入場できる。チケットはウェブサイトから購入でき、日本人を含む外国人の入場料は大人1450エジプトポンド(約4600円)、子供730エジプトポンド(約2300円)。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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