WHO「有効」デキサメタゾンのみ レムデシビル、ヒドロキシクロロキン「効果なし」

2020/10/17 18:25 

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 世界保健機関(WHO)は15日、世界各国で実施した臨床試験の結果、新型コロナウイルス感染症の治療薬として、抗ウイルス薬「レムデシビル」は死亡率の改善や入院期間の短縮に効果がなかったと発表した。抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」▽抗エイズウイルス(HIV)薬「ロピナビル、リトナビル」▽抗ウイルス作用のあるたんぱく質「インターフェロン」についても効果を立証できなかったという。

 レムデシビルは5月、日本国内でも新型コロナの治療薬として特例承認された。新型コロナに感染したトランプ米大統領の治療にも使われたとされる。今月8日には米医学誌にレムデシビルが回復期間の短縮に効果があったとする論文が掲載された。

 開発企業の米ギリアド・サイエンシズ社は15日、WHOの示した結果に「有効性を示した論文と矛盾するものだ。厳密な検証を受けたものではないことに懸念を持っている」との声明を発表。これに対して、WHO首席科学者のスミヤ・スワミナタン氏は16日の記者会見で「WHOの臨床試験は世界最大規模で、結果の精度は高い」と述べた。WHOは今後、治療薬の投与に関する専門家向けのガイドラインを作成するとしている。

 WHOは、新型コロナ感染症の治療薬候補について、世界30カ国の医療機関で約1万3000人を対象に臨床試験を実施して効果を見極めている。新型コロナ治療薬として有効なのは、これまでのところ重症患者向けに投与されるステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」だけだとしている。WHOのテドロス事務局長は16日の記者会見で「抗体医薬品や(既存の)抗ウイルス薬で、新型コロナ治療に効果があるかどうか臨床試験を続ける」とした。【パリ久野華代】

毎日新聞

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