WTO、米国に対中国追加関税の撤回を勧告 「協定違反」と初判断

2020/09/16 10:38 

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 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は15日、トランプ米政権が2018年以降に発動した中国製品に対する追加関税がWTO協定に違反しているとの報告書をまとめ、追加関税を撤回するよう勧告した。米中両国が互いに追加関税を課し合う米中貿易戦争を巡り、WTOが判断を示すのは初めて。

 パネル報告書は、中国政府の提訴に基づき、トランプ政権が18年7月~19年5月に中国製品に対して最大25%の追加関税を課した措置について審査。米国の追加関税について「米国は(WTO協定上)正当化できる措置であることを立証していない」として、WTOルールに違反していると結論付けた。米国は不服があれば最終審に相当する上級委員会に上訴できるが、上級委員会は定員不足のため機能しておらず、パネル報告は確定しない可能性がある。

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は15日の声明で「WTOが中国の有害な貿易慣行を阻止できないことが明らかになった」と不快感を示す一方、今回の判断は米中両政府が1月に署名した「第1段階」合意には影響しないと強調した。

 トランプ政権は、中国の知的財産権の侵害など不公正な貿易慣行への制裁措置として、米通商法301条に基づき年間輸入額3700億ドル分の中国製品に対し最大25%の制裁関税を発動した。制裁関税は18年7月以降、4回に分けて発動され中国側もその都度、米製品に追加関税を課して報復したが、米中政府は今年1月、両国の貿易不均衡を是正し米側が追加関税の一部を撤回する「第1段階」の合意に達した。【ワシントン中井正裕】

毎日新聞

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