トランプ政権、仏の「デジタル課税」を調査

2019/07/11 11:12 

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 トランプ米政権は10日、フランス政府が年内導入を目指すIT企業への「デジタル課税」がグーグルやフェイスブックなど米企業を狙った不当な税制だとして、外国の不公正な貿易慣行を是正する制裁措置の対象となるかどうかの調査を始めた。仏政府が新たな税制導入を撤回しなければ、米側が制裁措置を発動して貿易摩擦が激化する懸念もある。

 米通商代表部(USTR)が同日、トランプ大統領の指示で通商法301条に基づく調査を開始したと発表。ライトハイザー代表は「仏政府のデジタル課税で米企業が不当に課税対象とされることを大変懸念している」との声明を出した。

 仏政府が導入を目指す新たな税制は、年間売上高が世界で7億5000万ユーロ(約920億円)、仏国内で2500万ユーロ以上のIT企業が対象で、ネット広告などデジタル部門の収入に3%を課税する。インターネットを経由して仏国内で収入を得る海外IT企業に応分の税負担を求める目的がある。

 グーグルやフェイスブック、アマゾンなど米国の巨大IT企業が主な課税対象となるため、トランプ政権は「米企業の狙い撃ちで不公正だ」と反発していた。

 デジタルサービスの国際的な課税ルールについては、経済協力開発機構(OECD)が2020年末の合意を目指している。ただ、米欧中の利害関係が交錯して議論は難航しており、仏政府は単独で先行実施を判断した。USTRは声明で「米国は多国間協定に向けたOECDにおける努力を継続する」として、仏政府の単独行動をけん制した。

 USTRが今後、仏政府のデジタル課税を「不公正」と判断すれば、調査開始から原則1年以内に大統領が追加関税などの制裁措置を発動できる。トランプ政権は中国の知的財産権侵害を理由に、通商法301条に基づき2500億ドル(約27兆円)相当の中国製品に追加関税を発動している。【ワシントン中井正裕】

毎日新聞

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