国民党・韓氏が予備選出馬明言 民進党も激戦 無所属・柯氏と三つどもえに 台湾総統選

2019/05/14 18:56 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 【台北・福岡静哉】台湾総統選(来年1月11日)で野党・国民党の韓国瑜・高雄市長(61)が13日、出馬に強い意欲を示した。国民党では鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長(68)が出馬を表明しているが、支持率では韓氏が大きくリードする。与党・民進党では蔡英文総統(62)と前行政院長(首相)の頼清徳氏(59)が激しく争い、人気の高い無所属の柯文哲(かぶんてつ)・台北市長(59)も含めて総統選は三つどもえの様相を呈してきた。

 韓氏は13日、台湾大手誌「天下雑誌」のインタビューに対し「党が(候補者に)指名するなら予備選に参加する」と表明した。韓氏が予備選への出馬を明言したのは初めて。台湾大手「テレビBS」が今月8日に発表した世論調査では、国民党予備選の支持率は韓氏35%▽郭氏20%▽王金平・前立法院長(78)16%▽朱立倫・元党主席(57)12%――などとなっている。韓氏は、民進党の蔡氏、頼氏や無所属の柯氏よりも支持率が高い。

 予備選では通常、出馬表明した政治家を対象に世論調査などで公認候補を決める。韓氏は昨年12月に市長に就任したばかりのため、自ら出馬表明すれば「市政投げ出し」との批判は避けられない。韓氏は4月23日の記者会見で「現行の予備選の方式では出馬できない」と述べると同時に、台湾の発展に「責任を負いたい」と出馬に意欲もにじませ、国民党執行部に対して暗に制度の変更を求めてきた。これを受けて党執行部は、韓氏を「勝てる候補」として世論調査の対象に「指名」する方針。韓氏が受動的な形で参戦できる環境が整いつつある。

 郭氏は知名度抜群だが、鴻海の工場が中国大陸に集中するため「中国共産党の要求を拒否できるのか」との疑念が強まり、支持率は伸び悩んでいる。郭氏は今月初旬に訪米して経済人として親交があるトランプ米大統領と会見するなど米国とのパイプを強調し、「親中」色の払拭(ふっしょく)に努めている。国民党は7月に候補を決める予定。

 一方、民進党の予備選は3月に始まり、蔡、頼の2氏が届け出た。頼氏の支持率は大半の世論調査で蔡氏を上回ってきたが、少しずつその差が縮まっている。頼氏は今月8~12日に訪日し、安倍晋三首相の実弟、岸信夫衆院議員や森喜朗元首相ら多くの政治家と会談し、豊富な対日人脈をアピールした。民進党は5月下旬以降に実施する世論調査で公認候補を決定する。

 また無所属の柯氏が地盤の弱い中南部での活動を活発化させており、出馬の準備だと受け止められている。今月18、19日には支持者らが高雄市で集会を計画し、柯氏も出席する予定。

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報