5万人に1人の“難病”で歩く力と聴力を失った女性 「多様性とかうざい」と言われてもSNS発…
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5万人に1人の“難病”で歩く力と聴力を失ったたなちゃんさん
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【写真】「よく転ぶ子どもだった」小学生の頃から徐々に異変が…5万人に1人の難病のたなちゃんさん
◆障害者雇用枠で働くも続かず…エシカルや障害福祉に対する理解の向上に関わる仕事を
――いつ頃病気が発覚したのでしょうか?
【たなちゃんさん】 小学5年生の時に、指定難病「神経繊維腫症2型」と診断されました。遺伝子に異常があり、その細胞がうまく作れず、体中の神経に腫瘍ができてしまいます。現在も体の至るところに腫瘍がありますが、この病気でできる腫瘍自体は良性なので、無治療でも問題はないです。ただ、腫瘍が成長したり、できる場所が悪かったりすると神経機能に障害が出て、治療が必要になるので、そういった場合は手術で切除してもらっています。
――現在は車椅子生活で聴覚障害もあるとのことですが。
【たなちゃんさん】 26歳で首の腫瘍を摘出し、ふらつきがひどくてこの頃から車椅子生活になりました。29歳で脳腫瘍(左聴神経腫瘍)を摘出し、左耳失聴となり、このとき全ろうになりました。30歳で人工内耳装着手術をして、現在31歳です。現在も脳内および体のあちこちに大きな腫瘍を抱えていて、経過観察中です。
――現在はライターとして活動をされていますが、この仕事に就いたきっかけを教えてください。
【たなちゃんさん】 現在は2つの仕事を軸にしています。1つは補聴器専門店で専属ライターとして補聴器や難聴に関する情報を届けています。もう1つは体の不自由に合わせて洋服をお直しできるオンラインサービス「キヤスク」のSNS担当をしています。今の仕事に就いたきっかけは、コロナ禍に大手不動産会社を退職したことでした。自粛期間中に何か新しいことを学ぼうと、エシカルコンシェルジュやユニバーサルマナー検定の資格を取得しました。それを機に仕事に対する考え方が少し変わりました。
◆過去の私と同じように障害を抱え悩む人たちやその家族を勇気づける存在でありたい
――どのように変わったのですか?
【たなちゃんさん】 それまでは「障害者雇用」という枠の選択肢から自分ができそうな仕事を選んできました。でも、自分からやりたいという姿勢で始めた仕事ではない分、やりがいもあまり感じられず、いつも続きませんでした。コロナ禍の退職を機に、これからは自分が人生で大切にしたいこと(エシカルや障害福祉に対する理解の向上)に関わる仕事がしたいと思うようになりました。現在、そのような環境で働けていることをとてもありがたく思っています。
――福祉に関するライフハックも紹介されていますよね?
【たなちゃんさん】 SNSでの発信活動は、仕事や仲間たちとの交流から得た知識やライフハックが、過去の私と同じように障害を抱えて暗闇にいる方や、そのご家族の生活を少しでも良くする手助けになればと思っています。そして、過去の私がそうだったように、勇気づける存在でありたいという思いで行っています。
――「エシカルコンシェルジュ」でもありますが、どのようなきっけで資格を取得したのですか?
【たなちゃんさん】 コロナ禍の自粛期間中に学び始めたことがきっかけです。動物ドキュメンタリーを鑑賞し、気候変動の影響で生き延びられない野生動物たちがいることを知り、心を痛めました。私は昔から動物が大好きで、彼らの未来が危ぶまれていることに無関心ではいられませんでした。意図せず苦しい環境にいる動物たちに、自分自身を重ねて見ていたのかも知れません。
――どのような活動を行っているのですか?
【たなちゃんさん】 現在はまだ大きな活動はしていませんが、昨年初めてエシカルでインクルーシブなファッションブランドとコラボレーションさせていただく光栄な機会がありました。また、今は別ブランドとの新しいプロジェクトも進行中です。「エシカルコンシェルジュ」という旗を立てることで、同じような信念を持つブランドや新たな仲間とのつながりが増えました。今後もそんな高めあえる人とのつながりを大切に、活動を広げていきたいです。
――SNSではご自身のことや福祉について発信されています。なかには心無い言葉を投げかける人もいますが、どう感じていますか?
【たなちゃんさん】 「多様性とかうざい」といったメッセージが頻繁に届きます。こうした意見も、私は「別にそれでいいんじゃない?」と思っています。むしろ、いろいろな考えがあるのは当たり前ですし、それこそが、「多様性」なのかも知れません。なので、その人の気持ちを否定するつもりはありません。ですが傷つきはします。
◆すべての人が平等に活躍できる社会を築くには、「知ってもらう」ことから始まる
――どのような想いでSNSを発信されていますか?
【たなちゃんさん】 そういった意見を持つ人と私たち障害当時者が同じ社会で歩んでいけるシステムが、もっともっと必要だと日々思っています。街に出かければみんなやさしい。予期せぬバリアに困っていたら助けてもらえることの方が多い。
でも、人のやさしさに頼らないとできないことがあるのは、ものすごく危ういです。やさしい人たちがいる時といない時では、私たちの行動の選択肢が変わる。これでは「多様性うざい」と思っている人と私たち当事者とが同じスタートラインに立てていないような気がします。
――ご自身の活動を通してどのようなことを伝えたいですか?
【たなちゃんさん】 どんな考えを持つ人も、どんな時でも、行動などに同じだけの選択肢がある。これが当たり前になってほしいし、そのためには社会にあるバリアやそれを解決するヒントをもっと多くの人に知ってもらわなければならない。そういう気持ちもあって発信していますし、これが重複障害を持つ私に唯一できることなのかなとも思っています。
――3月8日は女性活躍を推進するための活動が行われる「国際女性デー」です。女性が安心して働いて生活できる世の中を作る上で、ご自身の活躍を通して伝えたいことはありますか?
【たなちゃんさん】 女性として、障害者として、すべての人が平等に活躍できる社会を築いていくためには、マイノリティである私たちの世界や課題を「知ってもらう」ことから始まるのではないでしょうか。そのために今日も、自分の世界や知ってほしい情報を発信していきたいと思います。
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