不倫で職も貯金も失って…苦難の連続に“あやまち”はいつまで償うべき? ショートドラマ化する…
LINEマンガ『あなたの愛が、毒だとしても。』(C)Natsumaro_/LINE Digital Frontier
【漫画】意図せぬ“不倫”後に待ち受ける本当の苦しみ…もう幸せになれない?
■不倫を題材に描く感情や物語の起伏、「人間の本性を覗く」ドロ沼サスペンス
『あなたの愛が、毒だとしても。』は、主人公・燈里が職場の上司と“意図せず”不倫関係を結んでしまったことをきっかけに、怒涛に襲い掛かる苦しみを描いた“ドロ沼”ラブサスペンスストーリー。冒頭で問われる“過去のあやまちはいつまで償うべきなのか…”、その答えを燈里は見つけることが出来るのか。愛憎渦巻く怒涛のストーリーに、目が離せない展開となっている。
――なぜ、物語のスタートを「不倫」というテーマにしようと思ったのですか。作品の着想のきっかけを教えてください。
【なつまろ。さん】 今作品を描く前にお世話になっていた会社では、恋愛ものが人気だったので、とにかく恋愛ジャンルの企画を作り続けていました。でも没続きで、心が折れそうになっていて。そんな中、今の編集さんに出会い『なつまろ。さんの好きなものは何ですか?』と質問されて、ハッとしたんです。『今まで自分の好きなものではなく、企画会議に通りそうなものばかり考えていたんだな』と。
それで改めて自分の『好き』に向き合ってみたら、この作品にたどり着きました。ちなみに好きなジャンルは、人間の本性を覗いたり、予測できない展開が起きるホラーやサスペンスなんです。そういう意味で言うと、『不倫』はテーマではなく、様々な感情や物語の起伏が描ける『よい題材』という感覚かもしれません。
■一度“失敗”したら幸せにはなれないのか? 作品に込める思いとは
――主人公・燈里が職も貯金も失って、「やり直そう」と前向きになったのに、以降も待ち受ける苦しみの数々に、“不倫した人は幸せになるな”というメッセージなのか…?と思わず感じてしまいました。本作の物語の展開については、どのように考えられたのですか。
【なつまろ。さん】 生きていく中で、悪いことが重なる時期ってありますよね。どうしてこんなに辛いことばかり、って。燈里は、そんな状況に運悪く陥ってしまっただけで、“不倫した人は幸せになるな”という意図はないんです。不倫に限らず、人って、いつも正しい行動ができるとは限らないと考えています。
正しい選択ができなかったり、時には過ちを犯してしまうことも。では、そんな失敗をしてしまった人は幸せになれないのか?そうは思いません。足掻いて、悩んで、そして『過ちを許して』人は幸せを見つけていくものだと思います。燈里はそうして、幸せを掴みました。
――裏の顔を持つキャラクターも多く、誰が本当に燈里の味方なのか…?と“疑心暗鬼”が止まらない作品と感じました。主要キャラクターや性格は、どのように考えられたのでしょうか。
【なつまろ。さん】 まず主人公の燈里を、素直で平凡な人物に設定。その素直さが故に、思いもよらぬ災難に巻き込まれていく…という立ち位置にしました。そんな燈里が信用している人たちに、実は裏の顔があったら怖いな…といった流れで物語を考え、それに沿って周囲のキャラクターを作りました。
本心が分からない、ミステリアスなキャラにしようと考えたのが太刀川。この作品のラスボス、万由はヒステリックで、狂気じみたキャラ。だけど同情できる過去を。万由の夫であり、燈里の元交際相手の尚人は、とにかく嫌な奴にしよう! といった形です。燈里以外のキャラクターは、皆『二面性』が備わっています。個人的に一番好きなキャラは尚人です!
――最近また、ドロドロ作品がメディア化したりと注目を集めています。なぜこうした作品が読者に求められていると思いますか?
【なつまろ。さん】 『人間の本性が見えるから』ではないでしょうか。ただ、これはエンターテインメントとして、対岸の火事と捉えているからこそ、楽しめるのでしょうね。社会的にタブー視されているものを楽しめる、平和な世の中なのかもしれません。
――主人公・燈里のように、意図せず「不倫」となってしまっていた、逆に自分の夫や妻が「不倫」していた…など、いつ自分が加害者・被害者になってもおかしくないと感じました。本作を描き、これまでも不倫作品を観てきた先生としては、どう気をつけたらよいと考えますか。
【なつまろ。さん】 まるで私が不倫のエキスパートのような(笑)。そうですね、できるだけ誠実に生きましょう! 当たり前ですが、まず自分がされて嫌なことは、自分も他者にしない。もしするなら、自分もいつかされるかもしれない覚悟を持って。
不倫することで傷つく人たちが必ずいると思います。何もかもを失っても良いくらい手に入れたい愛なのか、一度じっくり立ち止まって考えてみると良いかもしれませんね。
■連載終了から3年…10月からショートドラマ化が決定「マンガとの違いも含めて楽しんで」
――10月1日より、ショートドラマがスタートしました。ドラマ化が決まった時、どう思われましたか。
【なつまろ。さん】 連載が終わって3年以上経っているのでビックリしました。いつか自分の作品が映像化されることが夢だったので、とても嬉しかったです。
――ショートドラマへ期待することがあれば教えてください。
【なつまろ。さん】 ショートドラマならではのスピード感があるのではと、期待しています。忙しくてドラマを見る時間がない方や、普段マンガを読まない方も気軽に楽しんでいただきたいです。
――ショートドラマがきっかけで、マンガへの注目度もあがってくるかと思いますが、これからマンガを読む人に向けて、先生からメッセージをお願いします。
【なつまろ。さん】 ショートドラマでは入らない設定やキャラクターもいます。ぜひ違いも含めて楽しんでいただけたらと思います。
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