浅野忠信×瀧内公美、伝説の天才写真家・深瀬昌久と妻・洋子の50年愛を映画化 『レイブンズ』…
マーク・ギル監督が撮影した浅野忠信、瀧内公美=フランス・日本・スペイン・ベルギー合作映画『レイブンズ』2025年3月公開 (C)Mark Gill 2024
【画像】伝説の写真家・深瀬昌久と妻・洋子のポートレート
伝説の天才写真家・深瀬昌久は、1974年に森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展で作品を発表し、絶賛を浴びた。妻・洋子やカラスを被写体にした作品で一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ、92年に転落事故で脳障害を負い、20年の闘病の末、2012年に亡くなった。
近年、欧米を中心に再評価が進み、23年に東京都写真美術館で大回顧展が開催され、“セルフィーの先駆者”でもあるその世界観は若い世代の熱狂を生んだ。
本作で、深瀬昌久役を演じ、そのミステリアスな実像に迫った浅野は「素直に深瀬昌久さんを演じようと思いました。台本に描かれている事がとても魅力的だったので、それを感じたままに演じることを心がけました」とコメントしている。
深瀬の写真の被写体にとどまらず、時代の先端をいく女性として独自の道を切り開いた妻・洋子役は、映画『由宇子の天秤』、大河ドラマ『光る君へ』にも出演している瀧内公美が演じる。
海外合作映画初挑戦となった瀧内は、「浅野さんとお芝居している時に、脚本に監督の狙いが書いてあったとしても、浅野さんはそれを敢えて外し、アプローチを変えていると感じたことがあり、ああ、私はそれに生々しく反応していけばいいんだと思いました。目の前で生きる深瀬とどう対峙するのかを常に大事にしました。今日はどんな深瀬さんと出会えるのか、私の毎日の楽しみでした」と振り返っている。
監督・脚本は、『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』のマーク・ギル。『デスノート』をはじめ、映画、漫画、小説など日本のカルチャーにも造詣が深く、2015年に深瀬昌久の作品に衝撃を受けてから、9年かけて映画化にこぎつけた。1950年代の北海道、70年代のNY、2010年代東京まで、稀代のアーティスト、深瀬昌久の78年にわたる波乱万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた。本編では、深瀬昌久の希少な写真作品も多数、アルバムをめくるように見ることができる。
ギル監督は元フォトグラファーで、深瀬の名作「屠」シリーズ(※)にインスパイアされ、浅野と洋子役の瀧内公美を撮影した写真を公開。あわせて本編の屠殺場撮影シーンのスチール、そして、深瀬昌久作品の中でも幻のシリーズ「屠」の写真も解禁となった。
※「屠」シリーズ=日曜日の屠殺場で、唇を白く塗り、黒いマントを着せられた洋子を被写体にして撮ったモノクロームの写真群。
■浅野忠信(深瀬昌久役)のコメント
素直に深瀬昌久さんを演じようと思いました。台本に描かれている事がとても魅力的だったので、それを感じたままに演じることを心がけました。恵比寿でちょうど深瀬さんの写真展がやっていたので見に行きました。どうして日本ではあまり有名じゃないのかが不思議なくらい素晴らしい写真ばかりでしたし、探究心なのか?直感でそこにあるものの魅力を見つけるのが上手いのか?なぜなのかわからないですが、そこにある圧倒的な魅力を写真に収められるのが凄いなと思いました。1人の時間を過ごすのが上手そうな方だなと思いました。
■瀧内公美(深瀬洋子役)のコメント
洋子さんはクレイジーな面があると聞いていましたが、私は脚本を読む限りそういう風には思いませんでした。ハイテンションな部分があったとしても奇抜なことをしない、そういうことを最初は大事にしていました。
浅野さんとお芝居している時に、脚本に監督の狙いが書いてあったとしても、浅野さんはそれを敢えて外し、アプローチを変えていると感じたことがあり、ああ、私はそれに生々しく反応していけばいいんだと思いました。自分で洋子像を作っていましたが、それを削ぎ落としていく作業に変わっていき、目の前で生きる深瀬とどう対峙するのかを常に大事にしました。今日はどんな深瀬さんと出会えるのか、わたしの毎日の楽しみでした。
■マーク・ギル監督のコメント
浅野は深瀬を完璧に作り上げています。役に対するコミットメントや彼の知性と誠実さは恐るべきものですし彼は最高の相棒です。彼は私の脚本を想像もしていなかった高みに引き上げてくれたし深瀬に繊細さをもたらしてくれました。本当に深みのある深瀬になりました。彼の仕事ぶりを愛しています。浅野は人間としても素晴らしい人です。
2022年のロケハン時に公美と会って彼女の人となりがわかりました。それはとても有意義でした。彼女は女優の仕事にひたむきであり、とても頭のよい女性です。公美の演技が大好きです。彼女はスクリーンに光を与えてくれます。
まず日本の観客のことを思ってこの映画を作ったつもりです。そして、それが世界中の観客にもアピールできるものであれば幸せだと。
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