『ブラック・ジャック』新作がチャンピオンに掲載 AIと制作した32ページ「どこからどこまで…

『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)52号に掲載された『ブラック・ジャック』新作漫画

【画像】本人が描いたみたい!AI活用で制作した『ブラック・ジャック』新作漫画の数ページ
AIと人間のコラボレーションで漫画の神様・手塚治虫に挑み、新作『ぱいどん』を生み出したプロジェクト『TEZUKA2020』から3年。その後も、プロジェクトメンバーであった慶応義塾大学栗原聡教授と手塚眞氏、手塚プロダクションが中心となり、「AIと人間の共創マンガの実現」に取り組んできた。
そして今年『TEZUKA2023』として今年誕生50周年を迎えた『ブラック・ジャック』の新作制作に着手。前作の経験で、クリエイティブの分野においてはインタラクティブ性の高い共創型AIサポートシステムの存在が、人ならではの能力である創造性の発揮につながることに着目。研究を重ね、今回の制作においてはクリエイターとAIのインタラクティブなやりとりがポイントになっており、今回のプロジェクトではクリエイター自身がAIを操作しながら制作された。
AIが利用・学習した手塚作品は「ブラック・ジャック」200話分のテキストデータ、短編漫画200話分のテキストデータ、手塚キャラクター2万枚の顔画像データ、「ブラック・ジャック」4000ページ分のコマデータを使用。
制作は仲介AIの開発から始まり、プロット生成からシナリオ生成、新キャラクター生成、ヒトによるネーム制作・作画、一部ヒトがAIコマ素材生成を指示し、生成されたコマ素材のアングル等を参考に作画に反映させた。
プロット制作参加メンバーは手塚眞(手塚プロダクション)、林海象(映画監督)舘そらみ(脚本家)、石渡正人・日高海(手塚プロ)、田中創・下枝咲彩(手塚プロ)。
画像生成、キャラクターデザイン、ネーム・作画参加メンバーは、石渡正人・日高海(画像生成)、つのがい(キャラクターデザイン・作画)、池原しげと(ネーム・作画)、金明珍(キャラクターデザイン)。
今回の『ブラック・ジャック』新作漫画完成に手塚氏は「今回の実験では『ブラック・ジャック』という高いハードルを設定したので、完璧にできたとは言えませんが、初のAIによる漫画制作という意味では興味深い結果を出せたと思います。AIによるストーリー作りの支援は大きな可能性を感じました」とプログラムを総括。
「課題としては、より読み手の感情に沿ったシナリオを組み立てられるデータが必要であるのと、やはり感情をかき立てる効果的な演出(コマ運び)を提示できるかということがあり、そのためにはさらなる漫画の研究、コンテンツの研究が必要だと思いました。漫画はストーリーとキャラクターだけでできているものではなく、作家の感性が重要に働いています。それをAIが学習できるかが大きな課題だと思います」と課題点を説明した。
続けて「人間側の作業について言えば、オペレーションの問題もあり、時間が足りなかったと反省しています。ただ手塚治虫はこれを毎週一作描いていたので、そのパワーと頭脳の凄さはとても現状のAIが敵うものではないと思いました。手塚治虫は天才」と手塚治虫のすごさを強調した。
週刊少年チャンピオン編集部は「初めて、GPT-4を全員で使用してプロットを作成してみたあの日を振り返ると、そもそも漫画として面白いもの、ましてや、こんなにブラック・ジャックを再現しつつも新しさもある新作が完成するとは思いもしなかったです」と回顧。
「制作に携わって感じたAIの一番の魅力は何度でもリテイクができることです。たとえ出してくる一つ一つのアイデアの精度や魅力がいまひとつだったとしても、何度もやり直すことで魅力的なアイデアを出してくれることがありますし、何か一つアイデアに引っ張られることなく自由なアイデア(突拍子もないようなアイデアとも言いますが)を出してくれることもあります。そのアイデアの選択だったり組み合わせは、まだまだ人がやらなければいけないと感じましたが、十分漫画を作るうえで良きパートナーになりますし、将来的により密接なパートナーになる可能性もあると思います」と伝えた。
『ブラック・ジャック』は、秋田書店『週刊少年チャンピオン』で1973年11月から1983年10月まで連載された手塚治虫の代表作。無免許の天才外科医ブラック・ジャックが活躍する医療ドラマ。今年誕生50周年を迎えた。
■あらすじ
ピノコを連れて医療とAIの最先端技術が集まる企業を訪れたブラック・ジャックは、CEOから女性患者を診てほしいと依頼を受ける。患者には「AIを活用した完全な機械の心臓」が移植されていたが、完全なはずの心臓に血腫が発生していた。
過去に同様の症状である本間血腫を治せなかったトラウマを持つブラック・ジャックは、一度手術を断るが、ピノコの「どこからどこまでが人間なのか?」という問いに、この難題に立ち向かう決意をする。
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