注目の公取委判断 楽天、強気の一方で「妥協案」も 送料無料化問題

2020/02/13 21:31 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「楽天市場」の送料無料化問題で、楽天の三木谷浩史会長兼社長は13日、予定通りの実施を表明するとともに、退店する店舗の出店料払い戻しに応じるなどの新たな対応策を打ち出した。立ち入り検査中の公正取引委員会に対して強気の姿勢を示す一方で、独占禁止法に抵触しないための「妥協策」を示した形。今後、公取委がどう評価するかが鍵となりそうだ。

 「時代の流れはフリーシッピング(送料無料)だ。当局が消費者の行動まで正確に理解して判断しているかは、疑問を持っている」。三木谷氏は同日の決算記者会見でこう述べ、公取委の動きをけん制した。

 公取委が問題視しているのは、送料無料化ルールの導入によって、結果的に出店者が送料を負担せざるを得なくなる事態だ。新ルール導入が事実上の「強制」に当たる場合、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」となりかねず、公取委は調査に着手していた。

 これに対して楽天が13日示した策は、楽天市場から退店する店舗がアマゾンなど競合する電子商取引(EC)サイトに移転する場合に消費者に移転先を案内することと、従来は認めていない出店料の払い戻しに応じることだ。

 優越的地位の乱用は、他に取引先を選択できない下請けなどに対し、発注者側が不当な要求を行うようなケースで成立する。独禁法に詳しい秋葉健志弁護士は「楽天自らが店舗に対し、アマゾンやヤフーなどへの移転を選択肢として認めて支援すれば、違反を回避できる可能性がある」と指摘する。

 更に楽天は、新ルールの名称を「送料無料ライン」から「送料込みライン」に変更した。無料化に反発して公取委に調査を申し立てた出店者側は「送料を商品価格に上乗せするのは難しく、結果的に値引き競争になって体力の無い小規模業者が立ちゆかなくなる」と反発していた。楽天は「送料込みライン」とすることで、送料負担に対する消費者の理解が得やすくなると見ている。

 秋葉弁護士は「これらの施策が機能すれば、公取委も行政処分を下すことに、より慎重になるかもしれない」と指摘する。公取委は今後、出店者の選択肢が確保されるかどうかや、不利益が低減するかどうかなどを判断するものとみられる。【後藤豪】

毎日新聞

経済

経済一覧>

注目の情報