英、新高速鉄道計画を継続 車両受注へ日立も応札 ジョンソン氏「地方経済底上げ」

2020/02/12 22:04 

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 英政府は11日、ロンドンと英中部を結ぶ新高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」の建設計画を継続することを決めた。コスト膨張で是非を検討してきたが、地方経済の底上げを訴えるジョンソン首相が実施を判断した。総工費は当初計画の約3倍の1060億ポンド(約14兆9460億円)に膨らむ見込みで「第二次大戦後最大」(英メディア)のインフラ事業となる。車両の受注を目指して日立製作所が応札しており、大型案件獲得となるかも注目される。

 HS2は、ロンドンからバーミンガムを経由し、中部のマンチェスターとリーズに向かう約555キロを結ぶ“英国版・新幹線”。建設計画が発表された2012年に327億ポンドとされた総工費は15年に560億ポンドに膨らみ、英政府は19年夏以降、継続の是非を検討してきた。最新の見通しでさらに総工費はかさむが、ジョンソン氏は11日、英下院で現行路線が過密状態であることなどに触れ「地方の輸送網の改革は国全体の変革を起こすものだ。私たちは長い間野心を失っていた」と意義を強調した。英政府はバーミンガムまでを28~31年、残りの区間は35~40年の開業を目指す。開通すれば現在1時間22分かかるロンドン―バーミンガム間が45分間に短縮される。

 英政府の計画継続について、27億5000万ポンドに上る車両製造の入札に共同で応札している日立の鉄道事業会社、日立レールとカナダのボンバルディアは「英国にとって素晴らしいニュースだ。(私たちは)製造や部品供給など何千もの雇用を支えることができるだろう」とする声明を発表した。日立は高速鉄道「HS1」に車両を納めた実績を持つ。日立連合の他には、ドイツの鉄道車両大手シーメンスや仏同業大手アルストムなどが入札に参加している。

 英経済界からは地方の成長につながるとの評価がある一方、与野党を問わずこれまでの甘い建設見通しや建設費の高騰ぶりには批判も根強い。工事に伴う環境への影響を指摘する声もあるなど、課題は山積している。【ロンドン横山三加子】

毎日新聞

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