日産、売上目標2兆円引き下げ 3月期最終利益は57%減

2019/05/14 21:00 

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 日産自動車は14日、2023年3月期まで6年間の中期経営計画で掲げた目標を下方修正すると発表した。売上高は17年に示した目標より2兆円引き下げて14.5兆円、売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は8%から6%に下げる。北米市場での苦戦が主因で、カルロス・ゴーン前会長が主導した拡大路線からの転換を図る。

 横浜市の本社で記者会見した西川広人社長は「過去相当無理な拡大をしてきたが、米国の改善は慌てず、着実な成長を目指す。問題の多くは元の体制から受け継いだ負の遺産」と述べた。世界販売台数は600万~650万台程度を目指す。ゴーン前会長はルノー、三菱自動車との3社連合では1400万台に伸ばす計画を従来掲げていたが、今回の下方修正で戦略の変更を迫られそうだ。

 14日発表した日産の19年3月期連結決算によると、売上高は前期比3.2%減の11兆5742億円、最終(当期)利益は57.3%減の3191億円。本業のもうけを示す営業利益は44.6%減の3182億円で3年連続の営業減益だった。北米で値引きの原資となる販売奨励金の負担が収益を圧迫した。世界販売台数は4.4%減の551万台で、リーマン・ショックが直撃した09年3月期以来10年ぶりに前年割れした。地域別では北米が9.3%減、国内が2.1%増、中国が2.9%増だった。

 20年3月期業績予想では、売上高は2.4%減の11兆3000億円、最終利益は46.7%減の1700億円と2年連続の減収減益を見込む。世界販売台数は3万台増の554万台となる見通し。西川社長は「財務体質は健全。3年で元の日産に戻したい」と話した。

 一方、今年4月中旬には筆頭株主である仏ルノーが持ち株会社形式による経営統合を提案するなど、ルノーとの関係は緊張状態が続く。西川社長は経営統合や資本関係の見直しについて「今はその時期ではないと(ルノー側と)確認している」と強調した。【小坂剛志、道永竜命】

 ◇ことば「日仏3社連合」

 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車による国際的な企業連合。2018年の世界販売台数は前年比1.4%増の1075万台で首位の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(1083万台)に次ぐ2位。1999年、経営危機に陥っていた日産を救済するためルノーが出資して生まれた日仏連合が始まり。世界販売台数は00年に約500万台だったが年々拡大。16年には、燃費不正問題で販売不振に陥った三菱自に日産が34%出資して現在の3社体制となり、その後1000万台規模に達した。ルノーは日産株式の43.4%を保有する一方、日産が持つルノー株は15%にとどまる。資本面ではルノーが優位だが、販売台数など業績面では日産がルノーを上回る。

毎日新聞

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