日立、英原発事業を凍結へ 3月期に3000億円損失計上も

2019/01/11 13:32 

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 日立製作所は11日、英国での原子力発電所新設計画を凍結する方針を固めた。事業計画を進める前提としている国内民間企業からの出資協力や、英政府からの追加支援の見通しが立たないため。来週にも取締役会を開き、正式に決める。2019年3月期中に最大約3000億円の損失を計上する見通しだ。

 日立は12年に英原発事業会社を買収。同社を通じ、英中部アングルシー島で原発2基を建設する計画で、20年代半ばの運転開始を目指している。安全対策費の増加などから総事業費が当初想定を大幅に上回る3兆円規模に拡大。英政府が2兆円超を融資し、残る9000億円については、日本の政府・企業、英政府・企業が3000億円ずつを、日立が残りの3000億円を負担することを想定していた。

 だが、採算性の確保が見通しづらいことなどを背景に、当初、パートナーと期待していた東京電力ホールディングスなど国内民間企業からの出資集めが難航。日立の中西宏明会長は昨年12月の記者会見で「(今の計画では)もう限界だと英政府に伝えた」と明らかにしていた。

 日立はこれまでに人件費など約3000億円の建設関連費用を支出している。計画継続の見通しが立たなくなったことで、19年3月期中にこれらの費用を損失として計上する。中長期的には事業再開の選択肢も残すが、英政府からの追加支援などが得られる見通しは立っておらず、事業撤退の公算が大きくなっている。

 原発輸出を巡っては、政府と三菱重工業がトルコで進める新型原発建設計画も、安全対策費の増加などから事実上、撤退する見通しとなっている。日立の英原発計画も凍結されれば、安倍政権がインフラ輸出の柱に掲げてきた「日の丸原発輸出」の頓挫が鮮明になる。【柳沢亮】

毎日新聞

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