阪神大学野球:「プレー」女性審判員、1部球審デビュー

2018/05/16 17:02 

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 阪神大学野球連盟の唯一の女性審判員、佐藤加奈さん(31)が春季1部リーグで球審としてデビューした。昨春から同連盟初の女性審判員として1部の塁審や2部の球審を担当してきており、経験を認められて重責を任された。

 「プレー」。球場に試合開始を告げる高い声が響いた。球審の帽子から後ろに束ねた髪がなびく。ほっともっとフィールド神戸で4月28日にあった阪神大学野球春季リーグの関西国際大−甲南大。佐藤さんはマスク越しに試合を無難に裁いた。

 大阪市出身で、本職は同市内の中学校の体育教諭。高校までバスケットボールに熱中したが、日体大で「バスケットでは身長が低く、限界があった。競技経験はなくても活躍している人がいた」と女子軟式野球部に入部した。3、4年生時はバントなど小技が得意な外野手として、全日本大学女子野球選手権優勝に貢献した。

 大学卒業後に中学教諭になり、2012年に野球部の顧問に就いたが、自身の野球歴が4年しかないことから「中途半端な知識で指導していいのか」と悩んだ。練習試合などで審判を務めるうちに「審判としていろんな野球のレベルを体験したい」との思いが募ったという。昨春異動した中学校には野球部がなかったため、審判活動に専念。中学の試合だけでなく、知人の紹介で阪神大学野球リーグでも活動するようになった。

 「1部球審デビュー戦」は同リーグ使用球場で最大規模のほっともっとフィールド神戸。「いい球場で多くの人に彼女の姿を見てもらいたい」という信塚浩之・同連盟審判副委員長の粋な計らいだった。佐藤さんは試合後に「緊張した。ジャッジには自信が持てるようになってきた」と笑みを浮かべつつ「目の前の試合で精いっぱい。イニング間に選手へ声掛けまでする余裕はなかった」と反省も。信塚副委員長は「ハラハラしたが、やり切ったので75点。判定だけでなく、試合進行も重要な仕事なので研さんを積んでほしい」と期待を寄せる。

 佐藤さんは今夏、米フロリダ州である女子野球ワールドカップに派遣される。「選手の信頼を得たい。あの審判が言うならそうだ、と思われるようなオーラを作り出したい」と意気込み、「いつか(高校野球の)甲子園でも審判をやってみたい」と夢を膨らませている。【長宗拓弥】

毎日新聞

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