兄弟みこし:6年ぶり一緒に練り歩き 裾野市から南三陸へ

2018/05/17 09:31 

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 神社の名前が同じ「三嶋神社」であることを縁に、宮城県南三陸町歌津の住民と静岡県裾野市石脇の住民との交流が続いている。裾野側は震災翌年の2012年に、二つあった「兄弟みこし」のうち、兄みこしを南三陸側に寄贈した。今月3、4の両日に南三陸であった「復興記念大祭」には裾野の住民が弟みこしを運んで参加。兄弟みこしが初めてそろって南三陸の町を練り歩き、住民らを元気づけた。

 南三陸の三嶋神社社務所は東日本大震災の津波で、みこしや祭事道具が流された。震災直後、南三陸に野菜を届けていた裾野からのボランティアが同神社の境内で野宿し、同じ名前の神社が被災したことを知った。裾野には1989年と96年にそれぞれできた兄弟みこしがあり、裾野の住民は12年3月、兄みこしを寄贈した。

 復興記念大祭参加で兄弟みこしは6年ぶりにそろった。裾野の住民約40人は今月2日、裾野の三嶋神社で神事後、みこしをトラックに積み南三陸へ。3日朝に南三陸の三嶋神社に到着。南三陸の住民とともに兄弟みこしを担ぎ、商店街や高台移転した住宅地を練り歩き、みこしを漁船に乗せ「海上渡御」もした。

 南三陸の三嶋神社の小野寺弘司総代長(71)は「みこしは神様として大切にし、掃除も欠かさなかった。兄弟みこしを見て南三陸の人は涙を流した。震災で南三陸を離れた人もいるが、震災前以上ににぎやかな祭りになった」と話す。祭りに参加した植松由夫・石脇区長(64)は「大切なみこしの寄贈には議論があったが、寄贈したみこしを南三陸のお年寄りが涙を流して喜んでくれた姿が忘れられない」とし、「残った住民の心を祭りがつないでいると聞いた。兄みこしがその役に立てばうれしい」と話した。【垂水友里香】

毎日新聞

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