児童生徒「防災力」向上へ本腰 静岡の2校、“自分備蓄”も検討

2017/08/13 11:02 

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 災害に備える視点で地域の特性を学びながら子供たちの生きる力を高めようと、静岡市立中島小と中島中(いずれも同市駿河区)が本年度から、防災教育に力を入れ始めた。安倍川河口近くに立地する両校は、津波災害をいかに防ぐかが大きな課題。海や川など自然から遠ざかるのではなく、正しい防災知識を身に付けて郷土愛を育み、学校と地域との関係を深めたいと両校関係者は意欲を高めている。
 小中一貫校設置への準備で市教委からスポット校の指定を受けた両校は、小中学生が取り組む教育プログラムのテーマに防災を選んだ。「地域防災について小中学生が一緒に考え、住んでいる地域をより好きになってもらいたい」と中島小の太田勝久校長(58)は期待を込める。
 防災へ関心を持ってもらう第一歩として、代表の児童6人と生徒9人が7月26日から3日間、東日本大震災で被害を受けた宮城県を訪問した。災害遺構として残る石巻市立大川小と仙台市立荒浜小などを見学した児童生徒は、2階部分まで破壊された校舎を目の当たりにして津波の威力を実感した。
 児童生徒が被災地で得た知識と教訓を住民らと共有するため、12月第1日曜日の「地域防災の日」を授業日にし、地区の防災訓練後、被災地を訪問した児童生徒の発表の場を設ける予定。
 災害時に地域の避難拠点になる校内の備蓄品の見直しも進めている。ユニークなのは、児童生徒がそれぞれ自分専用の「防災ボックス」を用意する取り組み。
 多くの小中学校には水や食料などが箱詰めの状態で保管されているが、ほとんどの子供たちはその存在を知らない。「いざという時、自分たちが使うもの」という意識を持たせるため、両校は水や食料などだけでなく、ほかに必要な備品を子供自身が考えて用意し、専用のボックスに入れておく計画で準備を進めている。
 中島中の近藤高伸校長(56)は「日頃からの備えと地域内のつながりが災害時の力になる」と強調し、「小中学生も自身の身を守った上で、地域共助の一翼を担う自覚を持ち、自分で行動できるように成長してもらいたい」と期待する。

 ■「私たちこそ地域の力」 宮城の小学校見学、被災者と交流
 東日本大震災被災地の宮城県を訪問した児童生徒は、今も津波の傷跡が残る石巻市立大川小や仙台市立荒浜小などを見学し、被災者とも交流した。
 仙台市立高砂中では震災当時小学生だった生徒から話を聞いた。避難所生活で高齢者や幼児らに声を掛けたり、力仕事を率先して引き受けたりしたという体験談を聞き、中島中1年富田雄登さん(12)は「大人は昼間、仕事で外に出ている。小中学生こそ地域の力になる」と強く感じ、「まだ中学生」から「もう中学生」という心構えに変わった。
 仮設住宅の住民と漁業で復興を目指す人たちからも話を聞いた。「津波が来ると分かっている場所に残り、復興を頑張っていた。本当に地域のことが好きなんだと分かった」と中島小6年藤代美咲さん(11)。中島中2年亀山颯太さん(13)は「災害に備えるため、できることがある。もっと防災訓練に真剣に取り組む人を増やしたい」と力を込めた。
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