仏総選挙:「社会党の崩壊は疑いない」45議席まで激減

2017/06/19 21:02 

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 ◇マクロン氏の中道新党「共和国前進」が大躍進

 【パリ賀有勇】18日のフランス国民議会(下院)選挙は、マクロン大統領の中道新党「共和国前進」が、議席ゼロから大躍進を果たした。マクロン陣営に議席を奪われる形となった社会党(中道左派)と共和党(中道右派)の2大政党は大きく議席数を減らし、2大政党制の終わりを印象付けたが、衰退が顕著となったのはフランスが誇る高福祉を主導してきた左派だった。

 「社会党の崩壊は疑いようがない」。社会党トップのカンバデリス第1書記が18日夜、終始硬い表情で語ったように、共和党など中道右派系は100議席超に踏みとどまったものの、中道左派の社会党系の獲得議席は改選前の283議席から45議席まで激減した。

 社会党は、労働時間の削減や有給休暇の拡大、社会保障の拡大など、労働者の権利と福祉を重視してきた。

 だが、失業率は約10%と高い水準で推移しており、「構造的な硬直性がある」(国際通貨基金)と言われる労働市場の改革が急務とも指摘される。

 社会党内では、現実的な雇用対策を求める中道寄りの党内右派と、「労働者保護」を第一とする党内左派の間で亀裂が表面化。そこに登場したのが、「右でも左でもない」を旗印として超党派の草の根市民運動を率いたマクロン氏だった。パリ政治学院のシルバン・カーン教授は「右派のサルコジ政権とその後の左派のオランド政権は『刷新』を求める有権者を失望させ、マクロン氏に向かわせた」と言う。

 労働時間などの規制緩和を経済活性化につなげようとするマクロン氏の姿勢は、伝統的な左派層には拒絶反応はあるが、2大政党の中道寄りの有権者に浸透した。

 パリ近郊の選挙区から共和国前進候補として出馬した主婦のヤエル・ブラウンピベさん(46)は共和党の重鎮候補を破り初当選を果たした。「マクロン人気」が勝因の一つであることは否定しなかったものの、「私たちは、国民が望む『刷新』を体現している。それが勝因だ」と胸を張った。

 だが、投票率は約43%と現在の政治体制「第5共和政」で過去最低。マクロン氏陣営が大多数の国民の信任を得たとは言いきれず、今後、野党との対話を通じて幅広い国民の意見をすくいあげることが求められる。

毎日新聞

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