逃れられない芸能人の宿命、エゴサーチとのそれぞれの向き合い方とは?

2018/02/14 08:40 

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エゴサーチで悩みすぎてしまったさかなクン (C)ORICON NewS inc.

 エンタテインメントの世界は“人気”が出ればその存在感も上昇し、ひとたび落ちれば、たちまち“消えて”しまうシビアな世界。芸能人と呼ばれる人にとって、周囲の反応、とりわけ一般の人々が自身に抱いている印象というのは常に気になるところだろう。ところが、近年はSNSの浸透により、知らなくてもよかった“反応”までもが本人の目に触れる機会が急激に上昇。その“反応”との向き合い方いかんでは、今後の芸能活動を大きく左右する可能性すらあるのだ。

【比較写真】どっちが本人?ウィル・スミスに扮したさかなクン

◆ネットの“匿名性”が“刺激物”へと変化 芸能人の悩みのタネに

 魚類学者でタレントのさかなクンが先日、自身のFacebookを更新した際、「(声が)うるさい」「耳障り」「雑音」といった批判的な書き込みに対して、真摯に受け止めるとしながらも「悩みすぎたら熱が出た」と胸の内を吐露し、ネットユーザーを心配させる事態となった。

 改めて言うまでもなく、ネットの世界では“匿名性”がまかり通る。ゆえに辛辣な意見が野放し状態となっている。加えて、拡散などによってそれらの“刺激物”がこれまで以上に目に留まりやすくなっているのが実情だ。

 自分の名前を検索する“エゴサーチ”を行うタレントは少なくない。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で“エゴサーチ芸人”というくくりが成立したり、その行為自体がテーマとなった『エゴサーチTV』(AbemaTV)という番組が誕生するなど、芸能人の“エゴサーチ好き”は当たり前のものとなっているが、いま、タレントはエゴサーチとどのように向き合っているのだろうか。

◆“一切見ない派”と“いいところだけ見る派”、“すべて吸収派”など、向き合い方はさまざま

 前述のさかなクンの反応は言うに及ばず(さかなクンがエゴサーチをしていたかどうかは不明だが)、エゴサーチしてネガティブなことを書かれていると枕に絶叫しているという女優・夏菜のようなパターンもいれば、かつて“エゴサーチ好き”を公言していたきゃりーぱみゅぱみゅが「もう見ないようにする」と“エゴサーチ卒業”とも取れる書き込みを行うなど、ネット上でのいわれなき誹謗中傷に辟易しているケースも少なくない。

 一方、昨年放送されたクリープハイプの尾崎世界観がゲスト出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系)では、SNSに納得いかないこと書かれていると、ラジオでストレスを発散しているという尾崎世界観に対しマツコ・デラックスが「(エゴサーチは)全然やんない。多分見ても、あたしのことを書くって本当に時間の無駄だと思うんですけど、何とも思わないの。ここまで上がってきてから勝負しろって思うから」とコメント。マツコや前田敦子、坂上忍らは自分の利益にならないものは見ないという考えのもと「エゴサーチはしない」と明言している。このあたりはエゴサーチから一歩距離を置いた存在だろう。ネットが荒れれば荒れるほど、今後こうした“一線を引く”タレントは増えていくと思われる。

 一方で、エゴサーチをしながらも、「大久保さん」と“さん”づけで検索することにより好印象のコメントを引き出そうとする大久保佳代子や、「莉乃ちゃん+かわいい」とポジティブなワードを重ねることでショックを受ける要素を軽減させようとしている指原莉乃のような立ち回り方法もある。人気商売である以上、ネットとうまく付き合っていかなければというスタンスが生み出した“エゴサーチ”と言える。

 そこへいくと、芸人はタフだ。悪い評判も含めて自分に注目してくれているという前提のもと、怯むことなくエゴサーチを重ね、それをネタへと昇華させていく。『アメトーーク!』でくくりテーマとして取り上げられるのも、『エゴサーチTV』のMCを“炎上芸人”として知られるキングコング・西野亮廣が務めているのも、エゴサーチを“笑い”要素として扱える芸人の為せる業があるからこそ、なのかもしれない。逆を言えば、そのくらいの覚悟と度量がなければ、現状のネットコメントと対峙するのは、かなりの精神力を要するということだ。

◆かつては目に留まることのなかった言葉も…“向き合い方”も芸能人として必要な能力に

 タレントと一般人がコメントをやり取りするというのは、インターネットの登場で劇的に変化した。かつては、タレントに悪影響を与えるような“手紙”や“コメント”は周囲の人間が極力排除していたが、今では“それ”がタレントの目にダイレクトに届くようになった。

 傷つくのが嫌なら見なければいい、という考え方も一理あるが、自分のとった行動がどのように受け入れられているのかを知りたいというのもまた人間の性(さが)だし、実際問題、ネットを完全にシャットアウトして生活することは極めて困難な時代になっている。ならば、自衛策を駆使していくしかない。メンタルを鍛えるのか、ポジティブな接し方に努めるのか、“エゴサーチ”という行為から一歩引いてみるのか、自分なりのスタンスを、より全面的に打ち出していく必要があるだろう。タレントとは“才能”を意味する単語ではあるが、現代では、あらゆる空間から襲いかかってくる“評判”をうまく立ち回る才能もまた、重要なポイントとなってきたようだ。

(文/田井裕規)
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